不動産の独立開業は難しい?失敗する人、成功する人の特徴とは

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不動産業の新規開業

不動産業における独立開業は、不動産業に従事している人であれば一度は夢見たことがあるのではないでしょうか。

しかし、実際は独立して失敗するのか、成功するかなど分かるはずもありません。

そこで今回は、不動産業における独立開業の実態と、開業し継続して事業を営まれている方に共通する特徴について記載いたします。

具体的に不動産業で独立開業を考えている人も、いつかは独立開業をとぼんやり夢見ている人も、ぜひ最後までお読みください。

不動産業の独立開業件数の推移

令和3年末段階における不動産業者の数は128,597件となっています。

令和2年末段階の不動産業者の数が127,215件ですから、少なくとも約1,300人の方々が不動産業で新たに独立開業した計算です。

出典:国土交通省「令和3年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」より

このことから、不動産業における独立開業は比較的多いということがわかります。
不動業界で独立開業すること自体は、決して珍しいことでも難しいことでもないのです。

不動産の独立開業に失敗する人、成功する人の特徴とは?

独立開業の障壁が比較的低い不動産業界ですが、誰もが独立開業しても成功するほど甘い世界ではありません。

では、どのような人が不動産の独立開業に成功し、経営を維持できているのか。
また、不動産の独立開業に失敗し、経営を維持できない人の特徴や抑えるべきポイントを解説いたします。

必要な準備をしているかどうか

どのような業種であっても、独立し経営するには準備と計画が必須です。
ここではどのような準備と計画が、成功するか失敗するかに影響を及ぼす要素であるかを確認しましょう。

市場や商圏の調査

不動産は免許を受ければ、日本中どこででも営業活動をすることができます。

しかし、不動産という市場の特性上、街を知り尽くしておくことは大きなアドバンテージであるといえます。

また、知らない場所で独立開業するにしても、自分が根城にする街のことを徹底して調査しておくことは不可欠です。
人口動態、人口や世帯数の増減見込み、賃貸と実需のバランス、繁華性や工業性、独自の地域特性など、不動産業を営むにあたって把握すべきポイントは多岐にわたります。

開業資金や運転資金の調達と計画

独立開業してすぐに売上が確保できる、という保証などどこにもありません。
一定期間は我慢の時期があることは想定すべきです。

開業にかかる費用はいくらか?
自己資金で足りない場合は借入をするのか。毎月のランニングコストはどのくらいかかるのか。

借入を行う場合には、事業計画の提出が必須になります。

事業計画は融資を取り付けるためのものではなく、事業を開始し継続させるためのものであるということを認識することが重要です。

事業計画の策定は、具体的であればあるほど良いと考えます。

日々の業務に勤しみながら、自社の財務諸表を確認してみたり、経理や財務担当者にお金の流れなどを聞いてみることでも、会社のお金の流れなどを知ることができます。

さらに、日々の業務でどのようなコストがかかっているのかを意識しながら仕事をするだけでも、計画に具体性が増すのではないでしょうか。

独立開業後の売上が確保できるか

開業当初、チラシやダイレクトメールですぐにお客様が来てくれればよいのですが、そんなに世の中甘くはありません。

安定して新規のお客様にご来店いただくまでの期間、売上を構築することも準備する必要があります。

具体的には、売買仲介業であれば、近い将来に売却する具体的な予定のある売主をグリップしておくことなどが考えられます。
また、管理業であれば、賃貸管理業務を委託いただける約束を所有者から取り付けておくことなどです。

不動産業界経験とスキルがあるかどうか

不動産業は開業しやすい業界ではありますが、誰が参入しても成功するわけではありません。

どの業界にもいえることですが、もちはもち屋。
業界に精通していたほうが、圧倒的に「有利」ということがいえるでしょう。

十分な不動産業界での経験があるか

不動産業界で働いていたことがある方であれば、有利な状況で開業し成功しやすい環境にあることは間違いありません。

不動産業には不動産業のルールや不文律が存在しています。

どんなに運動神経の良い人であっても、スポーツのルールを理解しないと活躍することはおろか、スタートラインに立つことはできないと考えるべきでしょう。

もちろん、不動産業界に従事されその「ルール」を理解されたうえで、輝かしい実績があれば、より成功に近づくことは言うまでもありません。

不動産のなかでも経験にマッチした事業を営めているか

一言に「不動産業」と言っても、さまざまな分野に分かれています。
大きくは賃貸仲介・売買仲介・管理の3つが考えられます。

しかし、賃貸仲介といっても、居住用か事業用か。
事業用賃貸仲介といっても、オフィスか土地なのか。

独立開業したときに、どのような分野に軸足を置いて事業を営むのかは非常に大きな問題です。

専門性という点では、経験のある分野に軸足を置くべきです。
一方、安定した経営を望まれるようであれば、管理や賃貸経営などのストックビジネスに軸足を置くことも考えられます。

専門分野という営業優位性と、経営方針に基づいた戦略を並行して考えることは、独立開業後の成否に大きな影響を及ぼすポイントです。

不動産業界に関連する知識があるかどうか

不動産業に造詣があることは重要な要素ですが、それだけで独立開業してからの成功が約束されるわけではありません。

不動産に対する知識はもちろんのこと、独立開業し一国一城の主であり続けるためには、会社を経営するために必要な関連知識やスキルを持つことも大切です。

不動産で独立開業後に失敗しないためにも、どのような知識やスキルが必要なのかみていきましょう。

マーケティングに関する知識

IT化やDX化と呼ばれて久しい昨今、不動産業にもその波は押し寄せてきています。

今や、エンドユーザーはスマートフォンで物件を検索し、購入や賃貸の物件を指定してくることが当たり前になってきました。
不動産屋が売却査定でお客様宅を訪問すると「ありがとうございました」と謝辞を頂いていたことは、今や一昔前のお話です。

一括査定サイトからの問い合わせで地域競合会社とのお客様の奪い合いが激化の一途を辿ります。
インターネットを利用しない営業活動を行うことはほぼ不可能といえるでしょう。

どのようにして1件でも多くの反響を取得し、商談に持ち込むのか。
反響の取得に必要な媒体はインターネットか、紙媒体か。

そこに掲載する物件写真や間取りはどのようなものが適切なのか。

もはや不動産業の域を超え、マーケティングは独立に必須の知識といえるでしょう。
マーケティングやIT化、DX化に対する造詣なしに不動産業で独立開業することは失敗する可能性が高いといえます。

不動産業におけるマーケティング活動には、自社ホームページが不可欠です。

法律に関する知識

不動産と法律は切っても切ることはできません。
業務に関連する法律だけでも、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、借地借家法など、その数は多数におよびます。

しかし、独立開業するということは実務のみならず、会社を運営するための関連法律にも目を配らせなければいけません。

法人化するのであれば会社法、人を雇用するのであれば労働三法、マーケティング部分では不当景品類及び不当表示防止法などの知識も必要になります。

税金については、「所得税法」や「法人税法」などの知識も、独立開業後の避けて通ることはできません。
法律の条文や内容をすべてを把握し理解する必要性までは求められません。

ただし、一定程度の法律の概略は理解しておくことは必要です。

ネットワークがあるかどうか

独立開業にはこれらのような個人のスキルや経験が求められますが、一人ですべての経験とスキルを持ち合わせている人などそうそういらっしゃいません。

とりわけ、不動産業は人的な繋がりがモノをいう業界です。

人的なネットワークを持っていると、どのような点で独立開業後にメリットがあるのでしょうか?

人脈があれば、スキルがなくても営業ができる

経験や知識、スキルのすべてを身に着けることは非常に難しいことであり、そのすべてを持っている人はもはやスーパーマンのような存在かもしれません。

仮に、自分が営業スキルを持ち合わせていなくても、スキルがある人を雇用して自分の代わりに営業活動をしてもらえれば問題は解決します。

自分が経理知識や法律知識を有していなくても、会計士や税理士、弁護士に伝手があれば、安く顧問契約が締結できたり、すぐに質問ができたりとメリットしかありません。

人的なネットワークは、不動産業における独立開業後の会社運営に絶大な威力を発揮するでしょう。

人脈があれば、情報取得がスムーズにいく

売買仲介を行うにあたっては、売物件をショーケースにたくさん並べる必要があります。
しかもそれは、他社では取り扱うことのできない「専任物件」であればなお良しです。

現在の市況では売却物件の取得状況が、その会社の売上を左右すると言っても過言ではありません。

もしも不動産を所有している地主と深い関係を持っている場合は、売却相談を受ける可能性が非常に高く、専任物件の取得に有利に働きます。

また、地方の場合であれば人との繋がりはさらに重要です。

地方で不動産業を営もうとする場合、仲介業のみならず、農地転用による宅地造成なども重要な仕事になることが考えられます。
農家とのネットワークなしに転用案件を入手することは非常に困難ですから、地域のネットワークは貴重な宝ということができるでしょう。

ほか、同業者とのコミュニティも外すことはできません。
不動産業者間の関係は取得できる情報量に直結します。

売買メインの店舗に賃貸のお客様がいらっしゃった際には、賃貸メインの会社にヒアリングできれば、マッチする物件を紹介してもらえることがあります。

また、購入希望のお客様がいらっしゃった際に、旧知の業者から水面下の情報をもらうことができたりもします。
収益用不動産の一棟売買を行う際にも、管理会社を紹介することができたり、またその逆で管理会社の立場で新規の管理を紹介頂けるということもあるでしょう。

人的なネットワークがあることは、不動産実務面では独立開業後の成功に欠かすことのできない要素であるといえます。

逆にいえば、不動産実務で人的ネットワークがないということは、独立開業に失敗を招く可能性が極めて高いと考えられます。

不動産の独立開業で失敗しないために必要なこと

不動産の独立開業で成功するにはさまざまな要素が必要になります。

しかし、今回ご説明したような特徴やポイントを抑えておくことで、成功に確実に近づくことができます。
少なくとも大成功とまではいかずとも、失敗する可能性をかなり軽減することができるといえるでしょう。

大切なことは、自分ですべてできなくてはいけない、という考え方を捨てることです。
自分ですべて何でもやろうとすることは、むしろ失敗するリスクが増大します。

自分に持っていないスキルや経験があるのであれば、まずはその現状を弱点として認識したうえで、必要なスキルや経験を持っている人と繋がることが重要といえます。

また、現代はさまざまな便利なシステムが存在しています。
人に頼れない部分は思い切って機械に任せる、という考え方も必要でしょう。

この記事がきっかけとなり、独立開業のために今すべきことが明確になって、独立開業された暁には不動産業で失敗することなく、成功されることを心から祈っています。

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