ユーザー数、アクセスに一喜一憂するべきなのか

「お客さんのサイト、これだけしかアクセスがないんですよ!どうしましょう!」

そんな声を社内で聞きました。
確かに、アクセスを集めることは大切です。
しかしそこ一点だけにとらわれていては良い施策は打てないとも考えます。

生きたアクセスとも呼ぶべき「問い合わせにつながるアクセス」を集めるために、
どのページをきっかけにサイトへ訪問されているのか、またサイトへ訪れたユーザーがどんな動きをしているのかを調べる必要があるでしょう。
ということで今回はアクセスの数はともかく「そのアクセスの中身、有効なの?」を考えるコラムです!

まずは調査の方法を確認

アナリティクス上でアクセスや新規ユーザーを知るにはいくつかの方法があります。

ユーザー > 概要

期間ごとに新規ユーザーの数やセッション数を確認することができます。
同じく「ユーザー」の項目では地域や使用されたデバイス、ユーザー属性についてを知ることも出来ます。

今回は、さらにそのアクセスと合わせてもう一つ確認してみましょう

行動 > 概要 >サイトコンテンツ「ページ」>レポート全体を見る

閲覧開始数の順に並べ替えてみましょう。

閲覧開始数=ユーザーがサイトに訪問する際、そのページが入口となった回数

これで、どのページを窓口にしたアクセスが多いのかを知ることができます。
それは物件ページでしょうか?それとも会社情報のページでしょうか?それとも日記…?

仮説を立てる

不動産店舗のホームページの場合、大きく分けて入り口となりやすいページには幾つかのパターンがあります。
TOPページはポータルサイトGoogleマイビジネスなどにURLを掲載した、広告を打ったなど増える要因が多いので今回は除外することにしましょう。

入り口となりやすいページ

  1. 会社情報や会社紹介ページ
  2. 物件ページ
  3. 特集ページ

どんなページをきっかけにサイトへ訪問しているのかを知ることで、以下のような仮設を建てることが出来ます。
ユーザーの意識を推測し、どうしてそのページがきっかけになったのかを探ることで今後の方向性を考えることができるでしょう。
それぞれのパターンについて詳しく見ていきたいと思います。

1会社情報や店舗紹介のページ

訪問をしたい、どんなお店か調べたいという要望を持つユーザーがアクセスしている可能性があるページです。
サーチコンソールの検索クエリも合わせて確認してみましょう。
自社の名前や住所と組み合わせたキーワードが計測されていないでしょうか?
店舗へのルートマップはありますか?
スタッフについての情報や休業日について、営業時間や問い合わせ方法についての記載はありますか?

2物件ページの場合

この場合、物件ページはきちんとインデックスされており物件名や条件などなにか物件に関連することで検索を行ったユーザーがページを発見したものと考えられます。
取り扱うエリアの物件は広く公開できていますか?
また、物件のPR文章やディスクリプション部分は入力されていますか?
この改善を行うことでアクセスや問い合わせが改善するかもしれません。その可能性は大きいと思います。

3特集ページの場合

この場合も、2番と同様にユーザーに届けたいページを公開しインデックスすることは出来ている様子。
例えば「○○市の2LDK 駐車場付き」など特集ページのキーとなるワードで検索しているユーザーを呼び込むことが出来ていると思います。

では、その特集ページのバリエーションはどのくらいありますか?
また、その特集ページにはきちんと物件が表示されていますか?

  1. そもそも物件が掲載されていない
  2. 更新されていない
  3. 内容が薄くどれも似通っている

このようなケースが散見されます。
これではせっかくのアクセスを活かすことができず、問い合わせの前に離脱へと繋がってしまうのではないでしょうか。
問い合わせを願う前に、物件のメンテナンスを行ったほうが良さそうですね!まずは物件を出力しておきましょう!

分析を深めてサイトの状態を知る

閲覧開始数×直帰率から「最初に入ってきたページから次に移動してもらえた率は」や、閲覧開始数×滞在時間で「どのくらい興味を持って見てもらえたのか」を考えることができそうです。

つまり、「見られるきっかけはある」のか「そもそもコンテンツがニーズを満たしていないのか」を考え、掲載している物件の見直しや情報の精査に取り組む方向性を見つけることができるでしょう。
また、ニーズがあるのであれば検索しているユーザーの求める情報を提示し(つまり、物件情報へのキーワードや関連ワードを意識したテキスト追加やコンテンツの作成)より検索結果へ表示されやすくすることが大切となるでしょう。

例えニッチなページ故にアクセスが少なくても、情報が濃く滞在時間があり遷移もしているようであればコンバージョン転換するチャンスはあるのです。
そうしたニッチなページの集合体としてのホームページが育ってきたのであれば、無駄な10,000PVを目指すより100PVでも1コンバージョンすればそれはそれで成功だと言えます。

ターゲットに定めたユーザーへアプローチできているのか

アクセスをたくさん集めたものの、問い合せに一向につながらない。
そんな場合はユーザー属性やインタレストについて調べてみるのも良い方法かもしれません。

ユーザー > ユーザー属性(もしくはインタレスト) > 概要

あらかじめ決めたホームページのターゲットとなる層と、現在アクセスしている層はマッチしているでしょうか?
それとも、なにかのキーワードでバズったのか必要のないアクセスが増えているだけでしょうか?

ファミリー層に向けた物件情報を増やしたのに、アクセスがあるのは若年層…こうなると掲載物件とユーザーニーズのミスマッチが起こり問い合わせには繋がりにくいかもしれません。
いっそ、ひとり暮らし向けの特集を強化するか…ファミリー層への訴求方法を練り直してみましょう。

インタレストについては、ユーザーの興味が高い分野を知る手がかりとなるため広告を出向するカテゴリーの選定に役立ちます。

ちなみに、これらの情報はGoogleがユーザーのCookie情報から推測して表示させているものです。
そのため100%一致するというものでもありませんがユーザーの行動に基付いているため、全体の分析を行う上でのパーツとして役立つはずです。