宅建士を保有していれば、自身で不動産屋を開業することもできます。

しかし開業当初は従業員を雇えるほどの財力もないことから、一人で始めることに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

「集客がうまくいく自信がなく、すぐに倒産してしまうのでは」と考えている方も多いです。

確かにレッドオーシャンである不動産業界を生き抜くためには、戦略的な集客が求められます。

とはいえ集客さえ効率的に行うことができれば、ビジネスが成功することにもつながります。

そこで今回は、小さな不動産屋が行うべき集客方法や成功事例、失敗しがちな方法などを紹介します。

小さな不動産屋が集客の前に考えるべき戦略の立て方

小さな不動産屋は大手と違い、人手も時間も限られています。

そのため、まずは「誰に」「何を」届けるか決めてから、集客を考えることが大切です。

集客するターゲット層を明確にする

まずは、集客するターゲット層を明確にしましょう。

ターゲットの絞り込みは、集客の打率を上げるために不可欠です。

反対にターゲットを広げすぎると特徴がぼやけてしまい、知名度を持つ大手の中に埋もれてしまいます。

あえて狙いを絞り、特定の悩みを持つ人に「ここなら希望の物件が見つかりそう」と感じてもらうことこそが、小さな不動産屋が勝ち残るための鉄則です。

これは「ランチェスター戦略」と言われています。

資本力のある強者が「広範囲」を攻めるのに対し、弱者は「狭い範囲」に戦力を集中させることで、限られた予算でも勝てる土俵を作れるようになります。

たとえば「共働き夫婦」や「初めての一人暮らしをする学生」など、自社の強みが活きる属性に特化しましょう。

「誰にでも」ではなく「あなたに」と届くメッセージを作ることが、ファン作りへの第一歩になります。

集客の目的を明確にする

「何のために集客するのか」というゴールを必ず設定しましょう。

目的がブレると、何に投資すべきか判断できなくなるからです。

具体的には「地域の認知度アップ」なのか、「成約数の増加」なのかなどを定めます

目的が曖昧なまま施策を打つと、費用対効果の検証ができず、大切な資金を浪費することになります。

小さな不動産会社が生き残るためには、自社の現状の課題を整理し、一貫した戦略を立てることが大切です。

小さな不動産屋が集客するための方法

不動産取引適正推進機構が発表した「令和6年度末宅建業者と宅地建物取引士の統計について」のデータによると、不動産会社の新規開業者は6,383社に対し、廃業数は4,555社となっています。

入れ替わりが激しい業界で小さな不動産屋が生き残るためには、顧客獲得が一つのカギです。

ここでは小さな不動産会社が集客する方法の中で、一人でも取り組みやすい方法を4つ紹介します。

【認知獲得】SNSによる顧客獲得

若い世代だけでなく、年配の方でも利用し始めているSNSで集客する方法です。

多くの企業でもSNSで広告宣伝や集客を行っています。

具体的にはX(旧Twitter)やInstagram、Youtubeなどの媒体で、顧客のためになる情報やお得な内容を告知し集客します。

SNS名 ターゲット層 運用コスト 成果が出るまでの期間 見込み客の質 運用の手間
Instagram 20〜40代、女性、ファミリー 低〜中 3か月〜半年 高い(世界観への共感) 中(写真加工・リール作成)
X (旧Twitter) 幅広い世代、情報収集層 早い(拡散による認知) 低〜中(購買検討度が低い層が多い) 低い(テキスト中心)
TikTok 10〜30代、若年層 早い(バズる可能性あり) 中(検討初期層が多い) 中(編集が必要)
YouTube じっくり検討したい層 半年〜1年以上 高い(信頼度が高い) 高い(撮影・編集)

SNSを利用する場合、企業側が発信したい内容を伝えても、顧客の目には届かない可能性が高いため、顧客のニーズを叶える内容であることが大切です。

不動産集客のSNS活用方法|メリット・デメリットや4つの成功事例を紹介

【問い合わせ獲得の土台】Googleビジネスプロフィールの活用

小さな不動産会社において、Googleビジネスプロフィールの活用は欠かせません。

Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やマップ上に自社の店舗情報を表示・管理できるツールです。

地図検索は店舗選びの主流であり、「地域名+不動産」で検索したユーザーの目に留まりやすいため、広告費をかけずに露出できます。

正確な店舗情報に加え、店内の雰囲気やスタッフの顔が見える写真を充実させましょう

顔が見える安心感は、顧客の不安を払拭し、信頼獲得につながります。

とくに口コミの評価は強力な判断基準になります。

成約いただいたお客様に口コミ投稿をお願いし、地元の優良店としての地位を確立しましょう。

【問い合わせ獲得の土台】自社ホームページの活用

自社ホームページは集客のためだけでなく、会社の信頼度にもつながるため必須です。

不動産業者は、信用力が大切な業種です。

ホームページのない不動産会社は、どこか怪しさを感じる方も多いのではないでしょうか。

大きな取引であるからこそ、顧客からの信頼を獲得する必要があるため用意しましょう。

なお、弊社が提供する不動産専門のホームページ作成ツール「Reblo(リブロ)」は、信頼を高めるデザインと機能で、集客と顧客の信頼感をサポートします。

不動産専門のホームページ作成ツール「リブロ」はこちら

【独自性】地域密着型で他社との差別化を図る

小さな不動産会社は、地域密着型で他社と差別化を図ることが集客に直結します。

その街ならではの深い情報を網羅することで、地域の専門家としての信頼を勝ち取れるからです。

たとえば「〇〇小学校区特化」や「築30年以上の戸建てリノベ専門」など、大手が手を出さない狭い領域に特化しましょう。

また、地域のイベント情報や、街の魅力をブログで発信するのもおすすめです。

小さな不動産屋の集客成功事例

不動産専門のホームページ作成ツール「Reblo(リブロ)」を使用した自社サイトで、集客につながった成功事例を紹介します。

事例1.「〇〇大学の学生向け」のホームページで成約率アップ

不動産屋A社は大学に近い立地を生かし、「〇〇大学の学生向け」という、狭いターゲットに限定したホームページを導入しました。

エリアを広げず、特定の大学名や周辺の細かなキーワードに特化したことで、検索結果の1〜2ページ目という上位表示を実現。

情報を深く求めている「成約に近い層」へダイレクトにアプローチできるようになり、問い合わせの質が向上しました。

現在、A社はポータルサイトに頼ることなく、自社サイトのみで安定した集客体制を築いています。

莫大な広告費をかけることなく、「この大学ならA社」という独自のポジションを確立したことで、地域になくてはならない不動産屋としての地位を固めました。

事例2.見やすい&使いやすいホームページで反響アップ

自社で物件検索サイトを構築・運用しても、入力作業に追われるばかりで反響につながらない……。

そんな悩みを抱えていた不動産屋B社は、ホームページ作成ツール「Reblo(リブロ)」への移行で反響が向上しました。

徹底したユーザー目線での「見やすさ」と「使いやすさ」を追求。

リブロの機能を活用し、カテゴリー機能で物件を探しやすくしたほか、第一印象を決めるキービジュアルやサイト内の動線にもこだわりました

その結果、ユーザーのみならず同業者からも「サイトが見やすい」と褒められるほど、質の高いサイト構築を実現しています。

探しやすく親切なサイト設計は、ストレスなく物件を比較できるのです。

結果として「ここで相談したい」という後押しになり、質の高い反響へとつながります。

小さな不動産屋がやりがちな集客の失敗

小さな不動産会社は、「初年度に売上を出さないと倒産する」というプレッシャーから非効率な集客方法を行うケースも多いです。

非効率な集客を積み重なって行うと、売上も低くなる可能性も高いため注意が必要です。

ここでは代表的な非効率の集客方法を3つ紹介します。

飛び込み営業

飛び込み営業は時間効率と作業効率が悪いため、おすすめできる集客方法ではありません。

近年では飛び込み営業は減ったものの、大手の会社ではいまだに一つの営業方法として使用している場合もあります。

しかし顧客一人に対して訪問する方法は、時間がかかるうえ、成約率が低い傾向にあるため効率性が非常に悪いです。

もちろん開業する前に飛び込み営業をメインとして売上を挙げてきた実績がある方は、経験値もあるでしょう。

しかしインターネットの普及により、多くの方へ一度に情報発信することが可能です。

一人の顧客に対して密な営業も悪くはありませんが、小さな不動産会社は企業体力も少ないため、効率性を優先して売上を意識しましょう。

ポスティング営業

チラシの作成代やポスティングを委託する費用を考慮すると、決して効率性が高いとは言い難い集客方法です。

もちろん効果は見込めるかもしれないため、一概には言えないものの、チラシをもらった方の多くは捨ててしまうことが多いです。

さらに目に留まらない顧客や、不特定の方に届いてしまうデメリットもあるため、無駄なポスティングにつながる割合の方が高くなります。

顧客に長く執着しない

顧客を他社と競合した場合、長く執着すると効率性が下がる傾向にあります。

小さな不動産会社は大手と比較して知名度も低いため、信用力も低く、一般的には不利な状況です。

もちろん手数料の差額で競合他社と勝負できることもありますが、結果他社で契約することになった際、時間の無駄だったということにもなるでしょう。

そのため顧客に長く執着せず、次の案件に注力した方が良いケースも多いです。

小さな不動産が集客する際の注意点

非効率な集客方法について紹介しましたが、その他にも注意すべき点があります。

小さな不動産会社は以下の3つに注意しながら集客しましょう。

キャパオーバーになる可能性がある

一人や少人数であるからこそ、キャパオーバーになる可能性もあります。

賃貸と売買、不動産管理をすべて一人でやろうと思っても、業務量の多さから人手不足になり、失敗につながる場合もあります。

会社が大きくなれば従業員を雇って解消できますが、小さな会社のうちは人件費さえ惜しい費用となるでしょう。

そのため、不動産屋を開業する際に、「売買」「賃貸」「管理」の中で軸を決めておくことが大切です。

顕在客と潜在客を見極める

小さな不動産会社は、売上を意識するあまりに、顕在客と潜在客の判断ができなくなる可能性も高いです。

顕在客とは今すぐ購入や売却を検討している顧客のことで、潜在客は中長期に検討している顧客を指します。

とくに不動産の売買は、

  • 将来的に購入・売却を検討している
  • とりあえず売却するならいくらになるのか知りたい

という潜在客が多いです。

潜在客に営業しても、時期的な要因や人的な要因から決断に時間を要するケースもあるため、顕在客を優先する必要があります。

とはいえ潜在客も将来的には顕在客になる可能性も高いため、顧客管理を行いながら見極めることが大切です。

費用対効果を考慮する

集客ツールとしてSNSや広告など、さまざまな媒体が挙げられますが費用対効果を考慮しておきましょう。

毎月の費用ばかりがかかってしまい、集客につながらなければ意味がありません。

費用がかかる集客ツールを利用する場合は、ランニングコストを考慮し、無理のない金額であるかを見極めることが大切です。

小さな不動産会社が集客を安定させるためのポイント

不動産会社が集客を安定させるためには、集客だけに注力するのではなく、社内体制を構築しておくことも大切です。

会社である以上、固定費は必ず発生します。

少しでも固定費を抑えることで会社の利益につながるため、これから紹介する5つの対策を検討しておきましょう。

定型業務のシステム化

定型業務システムの導入は、人件費削減につながります。

顧客からの連絡などを自動化することで、社員を雇う必要もなく、自身が返信する時間と手間を削減できます。

公式LINE

顧客との接点を安定させるには、公式LINEの導入がおすすめです。

最近は電話やメールよりも、迅速で気軽なやり取りを求めているニーズが高いからです。

公式アカウントを活用すれば、新着物件の一斉配信や自動応答機能により、スタッフの手を介さず24時間対応が可能になります。

評価 ポイント
運用コスト 低〜中 月額無料プランから開始可能。友だち数が増えれば有料(月額約5,000円〜)へ移行できる。
成果が出るまでの期間 即効性が高い 登録直後に「クーポン」や「限定物件情報」を送ることで、数日内の内見予約も可能。
顧客の質 高い 自ら友だち追加した意欲の高い層。メルマガより開封率が高い傾向。
運用の手間 最初の設定に時間はかかるが、一度作れば24時間自動接客が可能。

心理的ハードルが下がるため、顧客とのコミュニケーションが密になり、来店キャンセル率の低減や成約率の向上に直結します。

顧客管理システム

小さな不動産屋は、顧客管理システムを導入すると、人がやるべき業務に集中でき、仕事効率がよくなります。

追客などの定型業務を自動化すれば、対応漏れを防げるため、成約にもつながります

おすすめは、賃貸仲介に特化した顧客管理・営業支援「Taski(タスキ)」です。

ポータルサイトからの反響を一元管理できるほか、時期がズレた顧客への自動追客機能も備えています。

初期費用5万円〜、月額2万円〜と、小さな不動産屋でも導入しやすい価格設定ながら、重要事項説明書のオンライン作成など実務をサポートできます。

顧客管理システムを取り入れて、本来の重要な業務に専念できる環境を作りましょう。

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オンライン(電子化)の導入

賃貸と売買の契約は電子化で行うことが2022年より可能となったため、時間短縮の削減につながります。

以前は押印と書面(紙)による交付が義務だったため、対面して契約する必要があり、移動する手間・費用・時間がかかりました。

しかし、

  • 押印義務の廃止
  • 書面交付義務の緩和

によってオンライン契約が可能となったことから、不動産業を開業する場合は電子化に対応できるようにしておくべきでしょう。

ただし、契約する企業が電子契約の対応をしていない場合もあるため、紙媒体での契約も行えるようにしておいてください。

横のつながりを大事にする

個で働く時代であるものの、不動産業界は同業者との横のつながりが大切です。

不動産会社はみな競合他社でありながらも、全国宅地建物取引業協会連合会や全日本不動産協会に加入し、日々情報交換を行っています。

とくに加入した団体の会員同士の仲が良く、顧客を紹介しあうほど横のつながりが強い傾向にあります。

顧客に対して

  • 売買を依頼するならあの会社
  • あの会社は優秀だから紹介する

というケースも多いため、団体の会合などに参加し、他社との関係も強くすることが大切です。

手数料の設定を見直す

小さな不動産屋は、手数料の設定を見直すことも大切です。

不動産の売買は大きな金額の取引であるものの、譲渡所得税や不動産所得税などの課税対象になりやすく、納税額も高額になります。

売主と買主は少しでも支出を抑えたいと思う方も多いため、他社より仲介手数料が安ければ、依頼するメリットが明確になり顧客獲得につなげることが可能です。

以下を参考に手数料の設定を検討してみましょう。

  • 売買の仲介手数料を3%から1.5%にする
  • 賃貸の仲介手数料を家賃1か月分の半分にする
  • 物件管理手数料を5%から3%にする

もちろん会社の利益に反映されるため、無理のない設定が必要です。

まとめ

小さな不動産会社はSNSや自社ホームページの活用による集客を行うことで、老若男女に情報発信することができます。

地域密着型や付加価値のある物件情報の所有など、顧客から選ばれる要素で集客しましょう。

また集客ばかりを意識するのではなく、社内のシステム化やオンライン化の導入などを行うことで、効率良くビジネスを行うことも大切です。

小さな不動産屋ならではの強みを活かし、選ばれる仕組みを作っていきましょう。