以前のコラムでサイトの導線とフォームについて紹介し、
その中で少しだけ「ユーザビリティ」が大切とお伝えしました。

その時はユーザビリティの概要だけでしたので
今回はもう少し詳しく説明していきたいと思います。

日々インターネットを利用して様々なサイトから情報を得ている私たちですが
閲覧するサイトは使いやすい・見やすいでしょうか?
または、情報が見づらかったり使いにくいと感じますか?

使いやすいと感じるサイトはもしかするとユーザビリティが高いサイトとかもしれません。

では具体的に何が良いと
ユーザビリティが高いサイトになっていくのでしょうか。

ユーザビリティを理解する

ここは前回少し説明した内容になりますが、改めて詳しく説明していきます。

まずユーザビリティは一般的に「使いやすさ」「使い勝手」を意味します。

しかし、「ただ使いやすい」ではないことが重要なポイントです。
ISO(国際標準化機構)による定義ではこのように定義されています。

「特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い」

とされています。

有効さ、効率、満足度、利用状況下といった使用性が定義されています。

そして重要なのが「特定の利用状況で特定のユーザーが指定された目標を達成する」ことです。

ここでいうユーザーはそのサイトの「ターゲットとなるユーザー」を意味しますが
サイトを運営するにあたり大枠のターゲットユーザーはどのサイトも決まっていると思います。
そしてユーザーにはそれぞれサイトに訪問した目的があり、その目的もユーザーによって異なります。

そのためターゲットユーザーやそのユーザーの目的によってサイトを最適化していくことが
ユーザビリティを考える上での重要なポイントなのです。

サイトを見直すポイントとは

ユーザビリティの高いサイトにするにはどのようなことを考えてサイトを作っていくことが必要なのでしょうか?

ここでまたユーザビリティを左右する定義があります。
定義ばかりでなんだか少し堅い感じもしますが
何から考えれば良いか、どこを見直すと良いか、
そんな時にここも覚えておくとユーザビリティが高いサイトを作ることにきっと近づきます。

以下がユーザビリティを構成する要素として言われています。

  • 学習しやすさ
  • ユーザーがすぐに使いやすく、簡単に学習できること

  • 効率性
  • ユーザーが素早く効率的に使用し、生産性を高められること

  • 記憶しやすさ
  • 操作が覚えやすいこと

  • エラー
  • エラーの発生率を低くする。エラーが起きてもすぐに回復できるようにすること

  • 主観的満足度
  • ユーザーが満足でき、好きなってくれること。楽しく使えること

これらが要素ですが、先程のユーザビリティの定義と共通して言えることは
ユーザーに負担がかからないこと、そしてユーザーが満足することです。

全ての場合がこれらの定義に当てはまるというわけではありませんが
ここを意識することで、「使いづらい」サイトにはならないと思います。
万人にとって使い勝手の良いサイトを作ることが目的ではないので…。

繰り返しになりますが、
「ターゲットユーザーが目的を達成するための使いやすさ」がポイントです。

なぜユーザビリティが重要なのでしょうか

さてここまでお伝えしたユーザビリティですが、なぜこれほど重要なのでしょうか。

何となく見当がつくかもしれないですが、まずユーザーが満足してサイトを使えることが第一に重要です。
また、ユーザーが満足していれば結果的にサイト運営側が目標としているコンバージョンなどにも繋がるからです。

ユーザーが求めているものがそのサイトにあったとしても
そこまで辿り着くことが面倒であったり、満足できないサイトであればユーザーはそのサイトから離脱してしまう可能性が高いですよね。

どんなに頑張って集客してもユーザビリティが低ければ意味がなく勿体ないのです。
ユーザーに満足してもらい、ユーザーを逃さない、
そしてコンバージョン率をアップさせるという
サイト運営側の目的を達成するためにもユーザビリティは重要なのです。

どうやって見直す?

サイトの課題を見つける

前回の記事で、画像やバナーの配置なども大切ということをお伝えしました。
もちろん他にも見直せるポイントは多数ありますが、
今回は、どこを見直すかでなく、見直す内容を見つける方法をお伝えしていきます。

ユーザビリティで重要な要素は分かりましたが
次はそれらを元にサイトを改善していかなければいけません。

その時どこを改善するか洗い出す必要がありますよね。

サイトの担当者や制作側は、もちろん使いやすさを意識してサイト制作しています。
しかしサイトの運営側は実際の「ユーザー」ではないのでユーザー目線での心理や行動、
サイト内の課題を見つけることが難しい場合があります。

また、いつも見ている見慣れたサイトだと客観的に見ることが中々難しいと思います。

そんな時にサイトの課題を見つけるための方法としてユーザーテストというものがあります。

簡易型

簡易型は手軽で、同僚や友人など身近な人を対象に行います。
例えば、同じ店舗にいる人や家族にホームページを見てもらい、「使いにくいな」と思う点や「こうなれば見やすいのに」と思う点をピックアップしてもらいます。
この方法は、費用もかからずすぐにできる上に課題の発見も可能な点がメリットです。
しかしデメリットとして、実際のターゲットユーザー層とは異なるため、課題の説得力が低くなってしまうことが挙げられます。
特に、同じ店舗にいる人だと普段から自分のお店のホームページを見慣れていて使い勝手もわかっているので、「初めて見る人」とは異なった感想を持つのではないでしょうか。

オンライン型

この方法は、WEBを利用して事前に用意した調査内容を対象者に1人で実施してもらいます。
その様子を動画で録画したりするものです。

こちらは簡易型に比べ、質の高いデータを集めることが可能で費用は発生しますが比較的低コストで行うことができます。
昨今は単発のアンケートやWEB操作を依頼することが出来るモニターサイトやWEBで探す仕事サイトなどがあります。
デメリットとしては、その場で質問ができないので深掘りできないことがあります。

この2つの方法は特別に高度な外注の必要もなく社内を中心として実施することができます。
他に対面型で行うものもありますが、対面型は費用も高く時間がかかるためすぐに行うことも難しいので
まずはすぐにできる簡易型がおすすめです。

簡易型でも、たくさんの課題が出てくると思います。
社内の人に協力してもらうにしても、制作者と営業、WEB担当者と営業では意見が違いますし
その分様々な目線からの課題点を見つけることができます。

また何と言ってもすぐに実践できるところも魅力ですね。

やっぱり大切なのはユーザーのことを考える

今回のユーザビリティに限らず、コンテンツを作る時もSEO対策の時も
WEBに関する様々な場面でユーザーにとって有益かユーザーの満足度が問われます。

しかし最初から完璧に見た目も中身も仕上がったサイトを作ることも難しいです。
なのでサイトの分析と改善を繰り返してより良いサイトにしていくのです。

SEO対策もGoogleの仕様によって重視されるポイントが変わるのでそれに合わせてサイトを見直したり
コンテンツも一度作成して完了ではなくたまに見直してみるなど改善をしていくことが大切です。

とはいえ、あまりにもユーザーのことを考えすぎて迷走してしまった、
ということにならないように、そんな時にも社内で同僚の意見を聞くことはおすすめです。

様々な改善を重ねて良いサイトを作っていきましょう。