SEOで重要な項目の中に「誰かに役立つコンテンツかどうか」というものがあります。
この「役立つ」指標となるのがシェアであったり、リンクされたりすること。
そしてこの記事のシェアやリンクの方法として、手軽に活用できることで注目を集めているものに「SNS」があります。
SNSでの共有率も立派なシェアですし、FacebookやTwitterを通じて問い合わせが入る時代です。

さて、そうは言っても企業アカウントで特に運用が難しいのが、実ははこの「SNSの運用」だと思います。
導入ハードルこそ低いのですが、更新するネタや頻度、またその方向性が難しい。
多くの場合、継続して更新することができずに放置される傾向があるように思います。

もしくは、この不動産業界の中に限って言えば物件の更新情報が自動的に流れていてTLが埋まりがち。
これでは「またか」感と「自動でやってるんだろうな」感が溢れ人間味が薄くなってしまいます。
こうした「自動感」のあるものはユーザーに敬遠される傾向が強く、上手くシェアを獲得することができません。

この状況を脱するために出来ること、またSNSを活用していくポイントはどこにあるのでしょうか。

ターゲット選定とアカウントの使い分け

アカウントの使い分け
弊社の例を挙げますと、FacebookもTwitterも、それぞれアカウントが2個ずつあります。
1つは、弊社「スラッシュ株式会社」のブランディングを主とした会社情報の更新を目的としたSMS
もう1つは、弊社サービス「リブロ」のアップデートやサービス情報を更新するSNS
また、同じく人材紹介サービスの不動産キャリアはそのサービスの特性上、独立したアカウントで運営しています。

このように、1つの企業で複数のアカウントを運用することにはどんな意味があるのでしょうか。

見る人の事を考えた更新

例えば、TwitterやFacebookのアカウントをご覧になる人の中には「リブロ」をご利用の方もいらっしゃるでしょうし、まだお使いではない方もいらっしゃるでしょう。
その時にすべての情報が混ざって表示されると、読み手に対して整理がされておらず「どの情報が必要かわかりにくい」事態が生じます。
スラッシュ株式会社のことを知りたいと思っている人がFacebookにアクセスしたのに、「○日にサービスをアップデートします」と言われても話がつながらない、そんな状態ですね

逆に、リブロのサービスについて詳しく知りたい人に「新入社員募集中!」と押し出しても、やはり欲しい情報ではないでしょう。

そのため、必要な情報をまとめアカウントごとに決まったテーマで更新することで混乱を避け、スムーズに情報にたどり着いてもらえるようにすることが必要です。
また、興味の方向が同じような人々を集めるため、更新する内容を考えるときにも対象が予想しやすくなるでしょう。
これは「なんとなく更新」や「惰性更新」を防ぐためにも良い事です。
いわゆる「ターゲティング」と呼ばれるものですね。
ターゲットの設定とペルソナについては以前、ちょっと詳しくお話しましたのでこちらの記事をご参考にしてください。(キャッチコピーとペルソナ。アプローチの方法を考える。)

ツールの特性を知る

運用するSNSを選ぶ際に、自社との親和性を考えてみることも重要です。

決められた文字数で表現し、リツイートでシェアをするTwitter
10代~30代向け

画像に特化し(いまは文字も入りますが)、印象を左右するInstagram
10代~20代向け

実名で記事の登録や求人、サービス情報の公開も出来るFacebook
20代後半~30代~50代向け

同じ「SNS」のジャンルにあるツールでも、それぞれ特徴とユーザーの好みが分かれます。
よく使っているユーザーの年代層もほんの少しですが異なります。
そしてそれは当然のことながら、投稿するスタイルにも違いが生まれます。

長い文章を書くのであればFacebookが向いているでしょうし、旬な話題を「今すぐ誰かに」であればTwitterが向いているでしょう。
また、同じ「クーポンの配信」をする場合でもそれぞれのサービスによって効果的な方法も変わります。

例えば、Facebookであればビジネスページにクーポンの配信をすることができますし、Instagramであれば「クーポンの画像」ではなくキャンペーンポップを交えたお店の内装やスタッフの写真などにクーポン情報をタグで添える方が効果的ではないでしょうか。
TwitterであればURLを一緒に配信しても良いですね。

配信したいものと、SNSの特徴や自社の特徴を比べてみて親和性の高いものを選びましょう。

表札に掲げても良い言葉を選ぶ

言葉を選ぶ
これは、SNSでの発信をするときによく言われることです。
SNSはオープンな場であり、世界中の誰もが見ることができる。
だから、自分の発言には責任を持たなければならないし「どこに出しても恥ずかしくない」ことでなければならない、と。
特に企業アカウントであれば会社のロゴや企業名を背負ってTweetなり投稿なりをしているわけですから、
突然「あー会社ダル、今日さーぼろっ」などと投稿する訳にはいきませんね。

  • 口調、書き方
  • 裏付けのない不確かなものではないか
  • 主義主張の押し付けではないか
  • プライバシーの侵害はしていないか

上記のような事柄は特に気を配る必要があります。
企業の中の人を感じることができる「ゆるアカウント」が流行りではありますが、ある程度のボーダーやガイドラインを社内であらかじめ決めておくことが肝心です。
動画投稿サイトに投稿された物件案内の動画に不適切な音声が混じっていた、などというニュースで大炎上しているのも記憶に新しいことではないでしょうか。

ただし、更新頻度に気をつけて

ここまで「サービスによってアカウントを分ける」「見る人に合わせた内容を更新する」といった区分けを行いました。

そうして生まれた複数アカウントの場合、次に起こりがちなのが「どちらかに更新が偏ったり忘れてしまう」ということ。
こうなってしまっては、なかなかSNSを活用することができません。
担当を分担する、投稿するテーマをストックしておくなど、いくつかの対策方法がありますが、
あまりにも更新頻度に差があるようであれば無理にサービスや内容でアカウントを分けずに
「ひとまず、会社のアカウントにまとめる」などの整理を行い見直すことも必要です。

その場合は、ただ物件情報を更新するだけなどにならないようにインフォーメーションを混ぜて行かなければなりません。

中の人感を醸し出すには

中の人感を醸し出すには
中の人感を出すのであれば、企業名と紐付いた個人アカウントで日々の業務や休憩時間の姿などをオープン化することも良い手段でしょう。
もちろん、投稿できる範囲は決めておくべきだと思いますが、
働いている人の人となりを感じられるような投稿はより企業が身近に感じられ、
転職や就職の候補として「この人と働きたい」「こんな風に働ける会社に行きたい」と思う人が増えるかもしれません。
企業の中で働いている人が「一体どんな人なのか」は興味はあるものの、なかなかオープンにはされていないところ。
こうしたポイントを織り交ぜて投稿することでメリハリも生まれます。

まとめ

企業SNSは廃れている、いわゆるオワコンではないかという話も聞かれる昨今ではありますが、
ホームページよりも手軽に更新でき情報発信を行えるツールとして、便利に活用できるSNS。
自社で扱えそうなツールはどれが当てはまるでしょうか?

「なんとなく更新している」では終わらないように、自社の魅力やユーザーにとって有益な情報を届けられるように練りながら
発信していきたいものです。