Flash、まだ使ってる?

2019年、いよいよ平成が終わりに近付いています。
これで昭和・平成・その次と3つの年号を生きたことになるのかとちょっと驚きを隠せません。
そして昭和生まれが先日の2019年1月7日をもって、全員30代になったということにも驚きました。

ということで、そんな激動の予感がする2019年、WEBにも差し迫る時代の流れについて記したいと思います。
テーマは「そろそろ終わりに差し掛かっているFlash」

セキュリティ上の脆弱が指摘され、ハッキングツールの標的にもなりやすかったFlashがようやく2020年末にアップデートやサポートが終了することとなりました。
Flashはアドビシステムズが開発している動画やマウスの動きを制御する仕組みで、動きの付いたホームページやゲームなどで利用されていました。
「Adobe Flash」がお使いのPCにインストールされているのではないでしょうか。
(アップデート要求の度にMcAfeeを入れようとしてくるのがなんとも閉口してしまいますが)

現在、インターネットを見ている時にそれぞれのブラウザではFlashを利用しているページに行くと「許可しますか?」とブラウザにポップアップが出てきます。

flashを再生

こんな表示を見たことがありませんか?
NOを選ぶと、動作しないため「画面が真っ白になった」と思ってしまう方も多いハズ。

Flashで出来ることあれこれ

Flashで出来ることといえば、動画をホームページに組み込んだりスライドショーを組み込んだりと色々あるのですが、2019年現在は広告などですらFlashはブロックされており、たとえば再生ボタンを押した時に「再生しますか?」と確認されるようになっています。
ちなみにiPhoneやAndroidなどスマートフォン端末では、Flashがタッチスクリーンに対応していないためFlashの機能はもうすでに搭載されていません。
別途、アプリを通じてコンテンツを再生したりすることはできますが、カクカク動いたりするようですね。

思えば、インターネットが世の中に広まった最初の頃はFlash動画も盛んに作られていました。
Youtubeやニコニコ動画が流行る随分前の頃のことです。
2002年~2007年くらいでしょうか?
ペリーの動画とか・・・アスキーアートの動画とか・・・ある程度の年齢以上の方は「あ、懐かしい」となるあの動画です。記憶にありますか?

ちなみに、HTML5やjavaScriptの技術を用いて同様の表現を作り出すことが可能です。
多くの場合、ホームページに組み込まれている「画像が自動で流れていく仕組み(いわゆるスライダー)」や「マウスを置くと画像が拡大される」仕組みなどは、すでにjavaScriptを用いたものに切り替わっているはずです。

昔はFlashを使って表現していた例えば「画面に雪が降る」エフェクトや「花びらが舞う」エフェクト。
キラキラしたサイトでよく見ましたよね。
あの表現も、もうFlashを使用せずにjQueryを使って表現することが可能なのです。
もっとも、スマートフォンやどのようなデバイスから見ても最適化されて表示する「レスポンシブデザイン」が浸透し、フラットなデザインが流行っている昨今ではそういったエフェクトを施したサイトも見かけることが少なくなってきました。

技術力の向上とトレンドの遷移

デザインのトレンドとしてはよりシンプルに、余白を活かした構成文字の大小でデザインするテキスト、写真はより「日常」を感じるリアルなものが好まれるようになっているでしょうか。
コントラストや彩度の高い画像加工も人気があります。
また、現在ではスマートフォンで見ることを前提とした幅広のボックスデザインや押しやすいボタン配置などが好まれることからもデザインと設置する内容の変化が見られます。
PCサイトでは動画をトップページ全画面を使って再生させたり、これまでのように1ページ毎に遷移するのではなくスクロールするごとにコンテンツがどんどん出てきて伸びていくパターンなどもよく見られるようになりました。

このように動画や音声の組み込み、APIを通じての構築など技術が飛躍的に向上したこともFlashから移行が進んだ原因ではないでしょうか。

しかし、このFlash技術を利用しているツールはまだ意外にも存在しており、
弊社では電話の履歴を管理するツールにFlashが使用されていたため、2019年以降はサービスがいつ終了するかわからないという運びになりました。
この流れに乗ってマーケティングツールの新規導入に舵を切ることができたため、結果オーライではありますが、これまで使っていたものを切り替えるとなると意外に大きなパワーが必要です。

ツールの入れ替えで苦労することは、社内へ新しいものを浸透させることです。
人間誰しも使い慣れたものが心地よく感じますし、新しいものに慣れるまでには少なからず抵抗感やストレスを感じるものです。
それを越えて、社内に定着させるためのフローや環境づくりは重要なことでしょう。

もし、お使いのツールやホームページにFlashの技術が導入されている場合、2020年末のサポート終了を待たずとも早めの切り替えをオススメします。
セキュリティ上の問題もありますし、2020年以降は動作の保証もないのでどのように動くのかも不透明です。

Flashをつかっている?判別方法

そうそう、ブラウザで遊べるゲームなどもFlashを利用しているものがまだ多くありますね。
そうしたゲームが下火になってしまうことは悲しいことかもしれません・・・・

また、WEBを通じての学習サイトなどもFlashで作られているサイトが多く見られていました。
徐々にHTML5に切り替わってバージョンアップしているようですが、中にはそのまま終了してしまうところもあるのかもしれません。

Flashを利用しているか見分ける方法として、例えばよく使うブラウザツールやゲームの画面で上述したように、Flashの許可を聞かれること、もしくは画面上で右クリックすると「設定」や「バージョン情報」などが出てくるとそのサイトもしくはゲームはFlashを利用していることでしょう。

こんな感じのポップアップです。

Flashチェック

技術が「懐かしい」に変わる時代

このコラムでいつもご紹介するChrome拡張機能のPIXLRも実はFlashを利用していました。
いつ切り替わるのかと思っていましたが、ついに脱Flashの新バージョンが公開されましたね!
より簡単に画像にエフェクトを書けたり色味を変えたりすることができるようになりました。
こうして使いやすく新しい技術でバージョンアップされていくものを見ているのも楽しいものですが、時々「こういうこともあったなあ」と過去の技術について調べてみるのも興味深いものです。

ということで、今回はWEBの歴史にちょっと詳しくなる「Flashについて」お届けしました。