今回はまたSEOのお話に戻ってお届けしていこうと思います。

SEO対策って何から始めてどこまでやればいいの?
…このコラムでもいくつかSEO対策についてご紹介してきましたが、出来ることはまだまだたくさんあります。

そこで今回はロングテールSEOについてご紹介していきたいと思います。

ロングテールSEOは、ロングテールキーワードに対するSEO施策のことですが
ロングテールキーワードとはそもそも何か、というところも含めて本コラムで説明していきます。

そして、ロングテールSEOでWEBサイトのアクセス数を伸ばすことができるかも…!?
そうとなれば気になるところだと思いますが
本当にアクセス増加を狙えるのか、また、ロングテールSEOのメリットデメリットをご紹介していきます。

ロングテールキーワードって何?

まずロングテールキーワードですが、「ロングテール=長い尻尾」ということで、以下のような図をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。

ロングテール

1~2単語をキーワードとし、検索ボリュームの大きい「ビッグワード」に対し、
複数の単語を組み合わせてつくる、検索ボリュームの少ない検索ワードが「ロングテールキーワード」と呼ばれています。
ビッグワードを軸に3~4単語で構成されるものや固有名詞を含むものなどがあり、ユーザーの検索意図がより含まれている検索ワードと言えるものです。

では、そもそも「ビッグワード」は何かというと、
検索数も多く、一般的にユーザーが検索時に連想するワードです。
例えば、「賃貸」や「マンション」など一般名称に近いものなどがビッグワードに当てはまります。

加えて、図には出てきていませんがビッグワードとロングテールキーワードの間に「ミドルワード」と呼ばれるものもあります。
「賃貸」や「マンション」ほどは検索数が多くないけれど、比較的検索する人が多いボリュームゾーンとなり、
例えば「西新宿 賃貸」など特定のエリアや駅、条件などが加わるようなものが例に挙げられます。

そしてこのビッグワード、ミドルワードよりも詳細に「ユーザーのニーズが反映された検索キーワード」が「ロングテールキーワード」なのです。
ユーザーが検索する時に入力する、より具体的な要素がキーワードとして組み込まれており、例としては「新宿 賃貸 1LDK ペット可」など探している物件が具体化していきます。

ロングテールSEOとは

では、ロングテールキーワードを理解したところで、今回の本題ロングテールSEOについてお話したいと思います。

ロングテールSEOは、特定のキーワードで上位表示を狙うSEO対策ではなく、
関連する様々なキーワード(=ロングテールキーワード)で検索にページをヒットさせ、
よりお問い合わせに近いユーザーのアクセスを幅広く獲得するためのSEO
です。

ここでよく疑問に挙がることが、様々なキーワードへのSEO対策を行うならば「ビッグワードに対するSEO対策に取り組んだ方が簡単で早いのではないか?」ということです。

先程の画像に注釈を付けたものをここで見ていただきたいのですが、確かにビッグワードは先程も述べたように検索数(探ししているユーザーの数)が多くなるワードです。
しかしその分、競合も多いのがこのビッグワードで、競合が多いということはその分対策も難しくなってしまいます。
競合他社や例えばポータルサイトなどのようにそもそもの企業規模が大きな会社が物理的(ページ数)の有意差を用いて対策をしてきます。
これに、1店舗や1つの企業だけで立ち向かうにはどうにもページ数や文字数、更新頻度などパワーが足りません。
また、大きなキーワードで検索をかける時、ユーザーの意識の中では「とりあえず、まず検索してみよう」という初期段階であることが多く、なんとなく探している状態とも言えます。
その場合、たとえ自分のホームページにユーザーを呼び込むことができても「ふーん」で終わってしまい、問い合わせ(コンバージョン)につなげることは難しくなります。

ビッグワードとロングテールキーワードの検索数

そのため、より目的を持って検索している人へ情報を提供し、問い合わせにつなげてもらうことが必要となります。
単純なビッグワードへの対策以外に、ロングテールキーワードに対するSEO対策が重要だというポイントがここにあります。

ロングテールキーワードの特徴

ロングテールキーワードは画像の通り、1つ1つのキーワードに対するユーザーの検索数は少ないものです。
検索数が少なければ「アクセスも少ない=アクセス数増加は見込めなさそう」と思ってしまうのですが、
様々なロングテールキーワードからの総アクセスを見るとビッグワードからのアクセスを上回っていることがほとんどです。
例えば1日100アクセスあるページが1個だけあるよりも、20アクセスあるページが6個、7個とある方が相対的にアクセス数が伸びていくという訳ですね。

さらに、ロングテールキーワードを検索するユーザーは、検索するときに自分の関心のあるワードを細かく入力しています。
例えば、先程出てきた「新宿 賃貸 1LDK ペット可」であれば、「新宿でペットを飼っている人が1LDKを探している」と想像できると思います。
このように、キーワードに対する関心が高いため、きちんと対応するコンテンツを用意することができると、お問い合わせ(コンバージョン)に繋がる可能性も上がります。

ロングテールSEOのメリットとデメリット

ロングテールSEOのメリットデメリット
ここでもう一度、ロングテールSEOのメリットについてまとめてみましょう。

メリット

  1. 上位表示が狙いやすい

    検索数が少ないということは、競合が少ないので情報が充実しているコンテンツを作ることによってビッグワードよりも上位表示を狙いやすくなります。

  2. コンバージョンに繋がる可能性が高くなる
    詳細な検索ワードで検索するということは、そのワードへの関心があることがわかります。
    「賃貸」と検索するユーザーより「新宿 賃貸 1LDK ペット可」と検索してページにたどり着いたユーザーの方がお問い合わせをする可能性はおそらく高いですよね。

  3. ページごとに集客できるため安定してユーザーを獲得できる
    関連する様々なキーワードでコンテンツを作成していくので、それらの様々なキーワードで検索結果に表示されるようになります。
    コンテンツページ単体での集客が出来ることで、個別のページ順位が多少変動してもサイト全体では安定したアクセスが期待できます。
    一方、例えばビッグワードだけで集客をしようと考えた場合、そのワードで順位が下落してしまうとアクセスが減少してしまう危険性を持っています。

  4. ユーザーのニーズに合ったコンテンツが作りやすい
    複数の単語を組み合わせてキーワードを作るため、ロングテールキーワードでは詳細にユーザーのニーズを把握した上でコンテンツを作成することができます。
    「賃貸」だけをキーワードとした場合、どんなページを作るか悩んでしまいますが、「新宿 ペット 1LDK」まで出てくると物件特集のイメージが湧きますね。

  5. ビッグワードでの上位表示も狙える
    ロングテールキーワードへのSEO対策をすることによって、コンテンツが増えます。
    これはコンテンツSEOとも呼ばれる手法で、その結果サイトのボリュームが増え、情報が網羅されることによっていずれビッグワードでの上位表示も見込めるようになります。

デメリット

さて、メリットがあればデメリットもあるものです。
ロングテールに取り組む前に、注意しておきたいポイントを見てみましょう。

  1. 似た内容のコンテンツが増えてしまう
    複数のコンテンツを作成するため、似たような内容になってしまう可能性があります。
    似た内容のコンテンツになってしまうと重複コンテンツとしてGoogleに評価されてしまう可能性があります。

  2. コンテンツの質が落ちてしまう可能性がある
    とにかくコンテンツを作成することだけを考えてしまうと、情報が薄く質の低いコンテンツになってしまいがちです。
    ユーザーの検索意図に合わせたキーワードでのコンテンツ作成が大切です。

  3. サイトの管理が大変になる
    サイト内のページ数が多くなればなるほどその分管理も大変になってしまいます。
    例えば、物件が1件も掲載されていない物件特集ページが表示されたままでは、ホームページに訪れたユーザーはがっかりして離脱してしまうことでしょう。
    こうしたコンテンツのメンテナンスや、導線の設計を誤ってしまいサイトの階層が増えることによってユーザーが情報を見つけにくいという問題が起きてしまう可能性もあります。

ロングテールSEOのまとめ

ビッグワードについて、また、ロングテールキーワードの検索数のことや、ユーザーの検索意図を元にコンテンツを生み出していく「ロングテールSEO対策」についてご紹介しました。

最初からビッグワードでの上位表示を狙っていくことは難しいので、まずはロングテールの対策に取り組むことで徐々に一定のアクセス数を獲得することに繋がります。
またその結果、コンテンツが増えてサイト全体のボリュームが増えることにもなります。
ある程度の時間がかかる手法ではありますが、積み重ねていくと安定した土台を作ることができるようになります。

今回はロングテールSEOがどのようなものかを理解いただけたかと思いますので、次回はもう少しロングテールを深掘りして、SEO対策に取り組む時のロングテールキーワードの選定方法や進め方などについて書いていきたいと思います。