以前、こちらのコラム(不動産集客はキャッチコピーが命の話)でキャッチコピーの話を書いた時に「そのキャッチコピーは誰に向けたものか」ということをご説明しました。
伝えたい人に向けて媒体を選んだり、キャッチコピーを書いたりする。
いわゆるペルソナ設定というものです。
今回はこのペルソナを深掘りしてみたいと思います。
ペルソナ、何だそれ。
私が知っているペルソナはゲームです。女神転生シリーズの派生の、あの。
PS4でも出てるんですね!しかもPSクラシックにも入るんですね!?
・・・話が逸れました。
今回の「ペルソナ」はマーケティング用語です。
沢山の企業でマーケティングに取り入れられているこの「ペルソナ」とは一体どんなものなのでしょうか。
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ペルソナをイメージする
例えば「公園のそばに3LDKの分譲マンションを立てる、価格帯は3,500万円~7,000万円のとき」をイメージしてみましょう。
このマンションを購入する層はどんな人だと思いますか?
- 年齢は?
- 性別は?
- 職業は?
- どんな暮らしをしている?
- 趣味は?
- 家族構成は?
- 価値観は?
・・・と、他にも様々な要素があるのですが、上記のようにこの分譲マンションを購入するコアターゲットの「人物像」であり、その人物が存在するかのように個性を設定していきます。
キャラ設定に似ていますね!
ペルソナと同様の言葉として「ターゲット」があります。
しかし、こちらはもう少しアバウトな要素で、人物像までは設定しません。
先程例に挙げた分譲マンションを購入する「ターゲット」を考えた場合は以下のようになるでしょう。
ターゲット
- 30代~40代の男女
- 子供がいて、マンション購入を検討している
- ある程度の貯蓄がある家庭
「ペルソナ」と「ターゲット」の違いは、深掘りの深度でしょうか。
それでは今度は、上記のマンションを購入する人の「ペルソナ」を設定してみましょう。
ペルソナ
- 氏名:赤坂 光太郎
- 年齢:34歳
- 性別:男性
- 職業:会社員(中堅クラス)
- 家族構成:妻、長女(4歳)、長男(1歳)の4人家族
- 趣味:ロードバイクが趣味で時々ツーリングに行く、最近休日に料理をしてみようかと思っているがなかなか上手くいかない。
- 状況:賃貸暮らしでそろそろ手狭になってきた事と子供が学校に入る前には購入したいと考えており、校区が気になっている。妻が住環境を気にしている様子だが、本人は住めば都と思っているところもある。
移動中にスマホでネットサーフィンをする、FacebookとLINEは使用しているがTwitterはよくわからない。
なかなか細かいと思いませんか?
氏名まで!?と思われるかもしれませんが、ここは「こんな人がいたら・・・」の範囲でOKです。
設定の進め方として、
- まず、見て欲しいもの(記事や物件)や売りたいもの(マンションや戸建て)などに当てはまるグループを作る「ターゲット作成」
- ターゲットの中で、更にグループを分ける 例:Twitterを使う人、Facebookが好きな人、ネットを見ない人・・・色々ありますね。
- それぞれのグループで深掘りする「ペルソナ設定」
このようなフェーズが考えられるでしょうか。
同じグループ内でも「田中さんはTwitterに詳しいけど、佐藤さんはSNSはやらずにブログ系で検索するタイプ」など、人によって好みの特徴があると思います。
ペルソナ設定のメリット
さて、状況が見えてきました。
今回はこの「赤坂光太郎さん」がピンとくる広告やキャッチコピー、また広告媒体を選択していく必要があるのです。
「赤坂光太郎さん」をイメージしながら、彼が満足する手段やアプローチ方法を設定したところで、まず第一歩が完了です。
このペルソナ設定、一見すると細かくて難しいと思われがちですが、
きちんとした設定はこのようなメリットをチームにも自分にももたらします。
メリット:アプローチする対象を共通認識できる
広告担当、制作担当、開発担当・・・様々な担当部署や人がかかわるプロジェクトでは認識のズレが生じると、修正に時間がかかったり別の問題が発生したりすることもあります。
プロジェクトに関わる人々が同じものを認識することでスムーズに進みます。
店舗全体の共通認識などでも良いかもしれません。
ホームページを更新する時に意識するポイントとして設定しておくのも有効だと思います。
メリット:定めたポイントからズレが少なくなる
一人でブログを書く、記事を書く、そういったときはここまで深掘りしないかもしれませんが、対象をより明確にしておくことで狙うポイントが定まります。
例えば、上記の赤坂太郎さんにアプローチするためにTwitterを頑張って更新したとしても効果はありません。
なぜなら、彼はTwitterがよくわからないものだと考えているからです。
Facebookであればよく利用しているため、この場合はFacebookを更新すると良いアプローチができるでしょう。
また、考え方や家族構成などで「彼に刺さるキャッチコピー」なども変化していきます。
また、これはインターネット上の話にとどまらず、ターゲットやペルソナによっては「インターネットより地域の情報誌に広告を出したほうが効果的なのでは?」や「ダイレクトメールで個別に送ったほうが良いのでは」など、オフラインの宣伝手法に絡むこともあります。
オフラインの広告を作成する場合でも「誰に向けたチラシ、DMなのか」はとても重要で、対象によって選ぶ写真やキャッチコピー、配色などが変わってきます。
比較的若い層に向けたチラシであればイメージ重視の写真が大きく載ったインパクトのあるもの。
また、高齢の方向けに考える場合は文字を大きく読みやすさに注意するなど、レイアウトも変わってきます。
このように、何かを広告で宣伝する場合や新しいプロジェクトを始める場合、それは誰に向けたものなのかをきちんと定義しておくことでブレが少なく、効果的なアプローチ方法を探ることができるのです。
とてもおもしろい世界です。
ペルソナ設定を活かすためには
さて、それでは実際に多くの人が取り組める範囲内でこのペルソナ設定が活きるシーンはどこでしょうか。
- サイトをリニューアルする時
- 特集ページを作成する時
- 物件のコメントを書く時
- 日記やブログを書く時
このあたりでしょうか。
サイトをリニューアルするタイミングはなかなか訪れないかもしれません。
となると、日常的な業務と結びつきやすいものは、物件のコメントやブログでしょうか。
例えば物件のコメントを書く時に「どんな人に読んでほしいか」をイメージしながら書いてみると、今までと違ったポイントに注意をしなければなりません。
今回2LDKのマンションを登録しようとした時をイメージしてみましょう。
- ここに住む人はどんな人でしょうか?
- その人に「刺さるポイント」はどこでしょうか?
- 写真には写っていないけれど、自分は知っている隠れた良い点はどこでしょうか
このように、「誰に向けたものか」を考えながら書くコツが見えてきます。
イメージした誰かに話しかけるように書いてもいいですし、最初は箇条書きでもOKです。
いきなり長い文章を書き始めるのではなく、「この人が興味を持つにはどんな物が必要?」を深掘りして、身近な言葉でも構わないので書き出してみましょう。
そうすることで、上記の2LDKマンションを登録するときのように「書くべきポイント」が見えてきます。
それは他社との差別化にもつながる、いわゆる「オリジナルの表現」となってサイト上に表現されることでしょう。
サイトにとっても、もちろんSEOの観点から見てもとてもプラスの要素ですね。
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