「サテライトサイト」なんか名前は聞いたことがある、以前作ったことがある、
または初めて聞くという方もいらっしゃるかと思います。
WEBの制作会社から、「サテライトサイトを作りませんか?」というお話を受けたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、耳慣れない単語な上にどういうものか深く知らない人も多いサテライトサイト。
今回はそんな「サテライトサイト」について解説していきます。
Contents
サテライトサイトとは?メインサイトと何が違う?
サテライト?サテライト=衛星?
そう、衛星の「satellite」ですね。
本体とは別に離れて存在するもので、例えば「サテライト店」や「サテライトオフィス」などは聞いたことがあるかもしれません。
人工衛星や月と地球のように本体の周りをくるくる回っている・・・そんなイメージがある単語です。
ちなみに、支社のことは英語でBranch officeです。
Branch。例えるなら本店が木の幹、視点がその枝のように存在する・・・こんなイメージだそうですよ。
さて、それでは今回のテーマである「サテライトサイト」についてご説明を進めましょう。
サテライトサイトとは、メインとなるサイトとは別に立ち上げたSEO対策や集客を目的としたサイトのことをいいます。
「サテライト」するものなので、多くの場合メインサイトとは異なるドメインで運用することになります。
別のドメインで異なるテーマを用いてサイトを運営し、本体サイトのアクセスやお問い合わせをサポートする、そんな役割を持つサイトのことをこう呼びます。
メインサイトとは別、と言いましたがこれは全く内容が異なるサイトを立ち上げるということではなく
関連のある内容で、メインサイトをサポートするようなサイトという意味になります。
例えば「不動産」を取り扱う企業が、急に「焼肉屋」のサイトを立ち上げました!
・・・ではなくて、「不動産」を取り扱う企業が「家具、インテリアについて」のコラムを立ち上げました、などでしょうか。
近からず遠からず、連想ゲームのようにイメージできるテーマを選ぶと良いのでしょう。
メインサイトと関連のあるテーマで作成した別のサイト(サテライトサイト)がどうしてSEO対策や集客に役立つと言われているの?
こんな風に考える方もいるのでは・・・。
関連のあるテーマで作られているとはいえ、そもそも別のサイトなわけだしどうやって集客に繋がるのだろうか、と。
この「なんで?」がサテライトサイトを作る目的の部分になりますので解説していきますね。
サテライトサイトはなぜ作る?目的とは。
以前は本当に沢山のサテライトサイトが生まれ、ピラミッドのように本体サイトを支える形式が流行ったことがあります。
しかしながら、この手法はもう通用しません。
スパム対策やドアウェイサイトへの対策が進み、SEOの手法も正当な物が正しく評価される時代となっています。
そのため、一時期よりもサテライトサイトの敷居は上がっているかもしれません。
とはいえ、未だに根強い人気があるサテライトサイト。
メリットはどこにあるのでしょうか?
1.メインサイトの評価をアップさせる
サテライトサイトからメインサイトに被リンクを設定することでメインサイトのSEO対策になると言われています。
※被リンクとは、外部のサイトから設定されているリンクのことで、外部のサイトから対象となるサイトに向けて設定されています。
検索エンジンは人ではないので、どのコンテンツが良いか人のように判断することができないのです。
そのため被リンクがあることでこのコンテンツはたくさんの人が見ているから
このコンテンツは有益な情報を提供している良いコンテンツという判断をするのです。
なので被リンクを設定することで、インターネット検索結果の表示順位で上位に表示されやすくなります。
SNSでのシェアや他のサイトで宣伝されることのメリットはココにあるのですね!
しかし、ここで重要となるポイントはサテライトサイトの質・内容です。
先程も述べましたように、以前はサイトの質よりも、どれだけの被リンク数があるかということが重要とされ、
とにかく「数」で、被リンクのためだけに作られたと言われるような大量に作られた内容の薄いコンテンツが多くありました。
もちろん当時はその方法で被リンクを設定することで検索結果で上位に表示されやすくなっていましたが、それはもう以前の手法になってしまいました。
現在、SEO対策において被リンクの数は全くもって関係ない、というとそれは嘘になってしまうかもしれませんが、コンテンツの内容が薄くユーザーにとって有益な情報がない質の低いコンテンツばかりのサイトはグーグルからの評価も下がってしまいます。
「SEOのために被リンクを買いませんか?」などと営業メールが来ると「おぉ、まだ存在したのか」とレアなものに遭遇した気分になります。
今は、よりサイトの質が重要になっていると言えるでしょう。
さて、このサイトの質や内容については、次のトピックスで詳しく説明していきます。
2.新しい「まだ見ぬ顧客」の獲得のために
これは、メインサイトでは獲得しきれない顧客(潜在顧客)を獲得するための手段です。
例えばこんな例はいかがでしょうか。
この通販サイトへのアクセスをもっと獲得したいと考え、新しくサイトを作ることとなりました。
ペットと関連情報に強いA社は、自社のノウハウを活かしてドッグランの施設情報や、ペットと遊べる広い公園の情報を書いたり、ペットに関するお役立ちコラムを書くことを思いつきました。
その結果、ドッグランを探している人や、ペットを飼って困った時の情報を探している人が検索からこのサイトにたどり着くようになりました。
ペットと共に暮す人が必要な情報や役立ちコラムを読んだ後、本体の通販サイトに興味を持ち、商品を購入していく。
こうして、新たな顧客からの売上が見込まれるようになったのです。
また、こんな場合もあるかもしれません。
しかしB社は、最近タワーマンションの仲介にとても力を入れており、タワーマンションに関してサイト上でもっと専門性を打ち出したいと思っていました。
ただし、今の23区内のサイトでは、幅広く物件を掲載しているので一人暮らしからファミリー層まで「親しみやすさ」をテーマにしており、「高級感」や「タワーマンションの専門性」は表現しにくいサイトとなっていました。
そこでB社は、賃貸タワーマンション専門サイトを立ち上げることで
サイトに掲載する物件をタワーマンションのみに絞り、専門性を出すと同時にコラム等を作成するなどユーザーに専門性が高いことを伝えることとしました。
このB社の事例は、実際に弊社のお客様であったお話です。
同じサイト内で掲載しても、対象とするユーザーの興味や好みが違うため、特徴が出しにくかったものを切り離し、専用サイトで運用することにしてから順調にお問い合わせが伸びています。
また、いままで集客できていなかった新たな顧客の獲得も狙えるため、サイト自体のブランディングにも取り組みやすくなります。
サテライトサイトはいい事づくし・・・・ではない!?
サテライトサイトを作ることはSEO対策にもなって、顧客の獲得も出来て良いことばかり!
と思われてしまいそうですが、実はデメリットが全くないわけではありません。
サテライトサイト運営のデメリット
- メインサイトを別に、サイトの更新やメンテナンスが必要なので手間が発生する
- サテライトサイトの質が低いとグーグルからペナルティを受けてしまう可能性がある
これはもうサイト自体のデメリットというよりは、運営方法に問題がある場合のことかもしれません。
しかしながら、ペナルティを受けたり全く更新されないサイトでは作成した意味がありませんので、注意が必要です。
もちろん、サテライトサイトを運用していくにもデメリットはありますがやり方次第でメリットの部分を得ることができます。
それでは、しっかりと運用するためにどんなサイトにすると良いのでしょうか?
サテライトサイトの良いサイトと悪いサイト
先程、以前はサイトの質よりも被リンクの数を増やすために内容が薄いサイトが作られていたとお伝えしました。
これはページ内のテキストが300~500文字程度であったり、ユーザーにとって価値のある情報がないページ、コピーコンテンツや外部へのリンクばかりのサイトなどのことです。
現在はこのようなサイトでは、グーグルが発表しているガイドラインに反しているとされペナルティを受け検索順位が下がってしまうなどの影響がでてしまいます。
また、以前(かれこれ10年位前でしょうか)に流行った「リンクファーム」と呼ばれる内部リンク・外部リンクそれぞれを大量にリンクしているサイトは、もはやスパム判定を受けて久しいですし、不自然で作為的なリンクは検索エンジンも回避する仕組みが高度化しています。
よくある「リンク集」なども、現在では正攻法で紹介をもらったか信頼できるところでないといつの間にかスパムに巻き込まれていた・・・なんてご相談をいただくこともあります。
一度スパム認定を受けると、その後これを剥がすのに本当に苦労します。
手動ペナルティを受けてしまう前に、ぜひともこのような方法はやらないか・・・そもそも引っかからないことが大事です。
では良いサテライトサイトを作るには・・・?
ポイントは3つ。
- ユーザーにとって有益な情報を更新する
- 本体のサイトと関連する分野でテーマ、キーワードを取り扱う
- コピーコンテンツは作成しない
これまでのコラムで記事を書く時や、情報を更新する際のお話でご紹介したことと同様になりますが、
情報・サイトの質が良くなければ、被リンクを設置してもSEOに効果がありません。
質が高いとは、ユーザーにとって役に立つ有益な情報であることや
ページ数がたくさんあるだけではなくそれらのページにしっかりと中身のある情報が載っていることです。
SEO対策になると言ってもあくまで「ページ・コンテンツなどの質が整っている」ことが前提なのです。
メインサイトと同じくらいサテライトサイトから集客をする!
というくらいの気持ちでコンテンツを充実させることができるといいですね。
そして、メインサイトと関連性を持たせることも大切です。
メインサイトと全く関係のないテーマでサイトを作成しても、ユーザーが検索する内容はもちろん違います。
なので関連性がなければ、せっかくサテライトサイトという役割のサイトを作成したところで、本来集客したいターゲット層を集めることに力を発揮することができません。
コンテンツが充実していること・ユーザーに向けた有益な情報発信ができていること・外部へのリンクやコピーした内容にしないこと
サテライトサイトに限ったことではなく、メインサイトにおいても同様のことが言えますが、これらは重要なポイントです。
サテライトサイトのテーマを決める
さて、ここまででサテライトサイトを作る目的を説明しましたが
次にサイトのテーマを決める時のお話です。
テーマを決める時は、まずは大きいテーマの中から絞り込んでいくと考えやすいと思います。
サイトを作る目的のトピックスでお伝えした不動産会社(B社)さんの例もそうです。
東京23区の賃貸物件を掲載したサイトから、
その中でタワーマンション専門サイトにすることは
大きなテーマの中から分けられる分野で絞り込んでテーマを決めています。
このようにメインサイト一つから特化できる内容を見つけることでテーマを選定しやすくなります。
それによりコンテンツの内容もブレることなくサイトの専門性を高められ
ある程度条件が定まっていて購買意欲の高い客層を集客することにもつながります。
また、WEBサイトを作成する上で
「このサイトは何のサイトか何を伝えたいか」が重要ですが
テーマを絞ることでユーザーにも検索エンジンにも何を伝えたいかどんなサイトであるか伝わりやすくなります。
テーマを絞り込むときには
どんな物件(種別や設備など)・エリア・多い客層やこれから獲得していきたい客層などを考えてみてください。
「仲介する物件が○○区のエリアが多い」「このエリアが得意」「ファミリー層が多い」
「大学が近くにあるから学生が多い」「○○に強みを持っている」「転勤者が多い」
このように考えるとテーマも決めやすいのではないでしょうか。
そしてエリアや客層を考えた上で、テーマの選定をすると良いでしょう。
例えば以下のようなサイトでしょうか。
- 東京都港区のエリア専門サイト
- ○○市のファミリー向け物件専門サイト
- 大阪のタワーマンション専門サイト
- 仲介手数料無料の物件専門サイト
自社は何に力を入れていて(入れていきたい)、ターゲットは誰かということを考えてみてください。
ターゲットの選定については、以前コラムでご紹介しましたのでこちらも参考にどうぞ!
まとめ
今回は「サテライトサイト」について、その作成のコツやSEO対策にも有効で・・・とメリットがあることを説明しましたが、開設したけど運用できないなんてことになってしまっては台無しです。
そのテーマでサイトを作成する必要があるのか、テーマの選定も大事なところです。
会社内や店舗内、もしくは自分の運営するホームページがより活用できるように、どんな物が良いだろうか見比べてみたり書き出したりしてみてください。
本体をくるくる回る衛星のように、しっかりサポートできるサイト運営ができるといいですね!