ホームページのリニューアルや作成を検討している場合、多くの方はいくつかの会社から話を聞くことでしょう。
今持っているホームページはどうするのか、検索で表示されているページはリニューアルするとどうなるのか。
リニューアルはしたものの検索に出てこないなどとなればマイナスになってしまいます。

そんなときに、こう提案されたことはありませんか?

「大丈夫です、今のドメインをそのまま新しいサイトでも使えるのでSEOのパワーを引き継ぐことができますよ!」

うーん。
半分正解、半分不正解と言ったところでしょうか。

こうした営業を受けた事がある方も多いのではないかと思います。
決して間違いではないですが、物足りない。
ホームページの状況によってはマイナスになってしまうことも起こり得ます。

さて、そのケースとはどんなときでしょうか。

  1. ユーザビリティとしての問題
  2. SEOの話

上記について、詳しく見ていきたいと思います。

過去の遺産が邪魔をする404エラーの罠

SEO

ホームページを運営していくに当たり、例えば不動産関連であれば公開している物件の名前や最寄り駅、条件などでの検索でページがヒットし、お問い合わせをもらうことが出来ると素晴らしいですよね。
「スラッシュマンション 2LDK」などで検索して自社のホームページで公開している物件情報がすぐ出てくる。
そこには間取りも写真もアップロードされていて、スタッフのコメントが掲載されている。
お客様も問い合わせしやすい理想のケースです。
そして、日々入力しているスタッフコメントや物件PR文章などが活きて、検索にヒットしやすくなるのもこの物件ページや地域の特集ページなどです。

さて、こうしてページを様々作っていたホームページを新しくリニューアルすることとなったとしましょう。
これまで使用していたシステムでは物件ページが「https://www.12345.jp/build-111」というURLで作成され、現在のところ検索にヒットしています。
ところが、次に利用するシステムでは物件ページが「https://www.12345.jp/build/111」というURLで作成されることがわかりました。

この場合、このままホームページを移転してしまうとURLが変わってしまうために、検索結果にヒットする「https://www.12345.jp/build-111」をクリックしても「見つかりませんでした」というページに飛ばされてしまいます。
また、お気に入りに登録していた場合もそのページにたどり着けなくなってしまいます。

この時、お客様の心理としては「見つかりませんでしたということは、埋まってしまったのか。残念」ではないでしょうか。
実は新しいホームページで同じ物件が公開されていたとしてもURLがわからないので、見つけることは難しいのです。

そうすると、次に起こると考えられるのが「最近、アクセスやお問い合わせが減った」という現象ですね。
お客様が迷ってしまい、見たい物件にたどり着けなくなってしまうのです。

以前、防げ404エラーのところで少しだけお話しました。
これをなんとかするのが「301リダイレクト」という設定です。

「https://www.12345.jp/build-111」で公開していた物件は
「https://www.12345.jp/build/111」に変わったよ

と指示を出してやるわけです。
そうすると、検索結果からリンクしている「https://www.12345.jp/build-111」のURLをユーザーがクリックした時に、自動的に新しいURLへ移動して貰えるのです。

物件数が少ないホームページや検索でヒットしていなかったホームページをリニューアルする場合は、そのまま進めても良いと思いますが
中規模からの物件数が多いサイト、もしくは地域情報ページや物件ページが検索でヒットするホームページをリニューアルする場合には注意が必要です。

ちなみに、物件ごとにこのURLのリダイレクトを行う場合は、
「今のURL」と「新しいURL」を物件名や必要なページごとに照らし合わせたリストが必要です。
※すでにページが存在しない場合、同じカテゴリーや分類などのリストページがあればそちらにリダイレクトするのも良いでしょう。

どのページをどのページとして認識させるのかは、正しい指示を出してやらなければ意味がありません。
すべてのページを「とりあえずトップページに戻す」という方法もありますが、301リダイレクトを利用してTOPページへリンクさせるのであれば、この方法はオススメしません。
冒頭で述べた「半分正解」の理由はここにあるのです。

301リダイレクトの特徴を知る

「301」と番号がついています。
そうです、リダイレクトにもいろいろな種類があるのです。

301は「中身は同じだけど、URLが変わったよ」という指示。
ということは、すべてTOPページへの誘導をするような時に使える指示ではないのですね。
もともと存在したページはTOPページと内容が同じ・・・ではないでしょう。
目的の場所と全く違うページにお客様を案内することになりますので、対応するページが新しいURLでも存在するのであれば適切に処理してやる必要があります。

他にも302リダイレクト(一時的なリダイレクト)、307リダイレクト(こちらも一時的なリダイレクト)、303リダイレクトがあります。
※現在では302、301のどちらを利用してもOKですが、処理速度に違いがあるとのこと。

規模の大きなサイトをリニューアルする場合は、こういったところまで考えておかなければなりません。

SEOとして見た404エラーは放置OK

さて、404エラーを防ぐ話をしましたが、ここで今度は全く別角度から逆の話をします。

「404は放置してもSEO的にはOK」

・・・いま、404を放置するなと言ったのに!?

はい、先程はユーザビリティからの観点でした。
今度はSEO検索順位に直接的に与える影響のみに焦点を絞った見解です。

まず、第一にGoogleのクローラーは、リンク先が404であることは認識しますがそのページの内容まではわかりません。
404エラーとなり「見つかりませんでした」や「おすすめ記事はこちらもどうぞ」という文字の表示を確認するのは実はそのサイトに訪れようとした人だけなのです。

しかしながら、こうしたページの入れ替わりなどによる404エラーの発生は通常どのようなホームページでも起こりうる事として、検索順位に大きな影響は及ぼしません。
これはGoogleが正式に回答しています。

そして404エラーをそのまま放置していると、該当するページはそのうちに検索結果から消えることとなります。

しかし、一方気をつけなければならないのが、例えば404エラーとなったページが「重要なページ」であった場合のことです。
いつか検索結果から消えてしまうことになるため、それが原因で順位を落としたように見えることは起こり得るかもしれません。
(例:検索結果から消えたため、ユーザーが見つけられなくなった)

結局のところ、相対的な話

SEOとしてクローラーは404を評価に影響させるものではないと述べました。
しかし、不動産関連のホームページにとって「物件情報」や「地域情報」などは非常に重要なコンテンツです。

検索結果をクリックしたものの「見つかりませんでした」が繰り返されると、おそらく「直帰率、ページ滞在率」に影響を及ぼすのではないでしょうか。
それはお客様の訪問をムダにしてしまうということで、そのアクセスが今後失われてしまうことになります。
つまり、検索順位にはほぼ影響が無いと言ってもアクセス数が減ってしまうかもしれないということ。

また、SNSで紹介されたり他のサイトからリンクを貰ったりした場合に、せっかく訪れるはずだったユーザーが404エラーのためにホームページからすぐ離れてしまうことは勿体無いことでしょう。

純粋な検索順位に影響はないとしても、検索結果から本来であれば存在しているはずのページが消えてしまうことと順位を落としてしまうことはニアリーイコールかもしれません。

404ページを有効活用する

404ページ見本
どうしても起こり得る404ページの場合、おすすめ記事や検索ボックスを出すなど次のアクションがしやすいページを準備しておくのも良い方法だと思います。
例えば、「この記事はどうですか?」と問いかけてみたり、横のカラムにカテゴリーやオススメのページを表示しておいたりすると良いかもしれません。
ユーザーに対して次の一手を提案することでホームページ内を回遊してもらうことは重要です。