無断転載の罪と罰。「図面は描くもの、写真は撮るもの論」と無断転載発見ツール3つ。

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WEB担当者のつぶやき, WEB集客ノウハウ

今回、このコラムを書くにあたってはちょっとした背景があります。

ホームページを見ていてたまたま発見した1枚の写真。
「やけにプロっぽくないか?」
腕を疑ってすみません。
最近アプリを利用してとても美味しそうな写真を撮ることが出来るのも知っていますし、よく利用しています。
しかし今回のものは何でしょうか・・・そう、例えるなら「プロが飲食店のホームページの素材で撮るような写真」に見えたのです。

そのまま画像検索にかけてみたところ、やはりカンは当たるというもので
ヒットしました他のサイト!飲食店のホームページそのままじゃないですか!

・・・も、もしかしたらそのお店から写真素材を提供して貰ったかもしれないし!

ということで念のためにと聞き取り調査スタートです。
※このケースの場合は一人のスタッフさんが「うっかり」してしまったとのことで、お店の責任者の方にたっぷり怒られたことでしょう・・・

ということで、声をにして言います。

ダメですって!!!
絶対にダメですって!!

何度かこういったケースに遭遇することがあります。
物件の特集ページを作って欲しいというご依頼をいただき、送られてきた写真や間取り図をみると他から持ってきたもののオンパレード。
詳しく聞いてみても「図面を描いたことがない」「写真とか持ってくるのが当たり前でしょ?ウチはそれでやってます!」と反論されたりもします。

その度に時間をかけて説明し、ご納得いただいておりますが本当にダメです。

ダメダメとは言うけど、なんで?

今回は、ダメの理由にフォーカスしたコラムです。

なぜ、勝手に写真や文章を使うのがダメなのか


権利だから、と言ってしまえば一言なのですが
画像やテキストには、その写真や文章を用意した誰かの時間と労力が詰まっています。
例えば風景を撮った写真であればその写真を撮影するときに使った機材の費用、その場所まで行く交通費、時間。
文章であれば考えた時間や作成に使ったツール、検証や取材が入っていればその交通費や費用。
たった1枚の画像ではありますが、それを撮影するまでの裏側を想像してみたことはありますか?

例えるなら、そうですね・・・不動産らしく行きましょう。

これまで、自社に登録の無かった1室がやっと空いたという情報をキャッチしたあなた。
図面を取り寄せ、物確(物件確認)に行って現地で細部を確認し、お店のパソコンで間取り図を作成しました。
もちろん、時間をかけて写真も様々な角度で撮影し、1番写りの良いものを選んで登録したとしましょう。

では、翌日。

おや?近所の某お店のホームページに「どう見ても自分が撮った写真」「自分が作った間取り」がそのまま掲載されているようです。

そのお店がそこから反響を取っていたら?
お客様にあたかも自分で作った間取りや写真のように紹介していたら・・・?

イラッッ!!!!

としませんか?
しますよね、文句の1つや2つ言いたくなりますし取り下げろと怒って連絡してしまうかもしれません。
自分の使った時間や手間を簡単に横取りし、あたかも自分のもののようにしてしまう。
これは大きな問題です。
ちなみに、不動産の大手ポータルサイトに掲載しようとする物件で上記の行為を行うと、掲載ガイドライン違反となりペナルティを受けることでしょう。
ペナルティ・・・そう、警告ポイントによる掲載停止
ポータルサイトを生命線にしている店舗は多く、違反による警告ポイントの累積は死活問題です。

という事で、
作者が「使っていいよ」と許可を出したものは除きますが、誰かが作ったものにはその「誰か」に権利があるということを覚えておかなければなりません。

引用と無断転載

似たようなものに、「引用」があります。
いえ、似たようなとは言いましたが全く異なるものです。
大学でレポートや卒業論文を書いた記憶を掘り起こしていただきたいのですが、「出典、引用は別用紙にまとめること」など条件がついていませんでしたか?
そうです、引用を利用する場合は「出典元を明記」しなければなりません。
例えば作者と本のタイトルや該当ページ、研究論文やアンケートであれば公開されているサイトやURLですね。
また、引用は文章を書く上で必要な範囲内でのみ認められており、「文章をまるごとコピーして最後に引用元を書けばOKだよね!」とはなりません。
あくまでも参考、必要な場合に認められている手段です。

適切な引用は理論の裏付けともなり、効果を発揮しますが乱用は厳禁です。

インターネットやSNSの普及とともにボタン1クリックで記事や画像が保存でき、また違う誰かに拡散できるようになりました。
そのために、知らずの内に無断転載をしてしまう恐れも増えているのではないでしょうか。

コピーと引用、拡散の違いを今一度考え直して見る必要がありそうです。

コピートラック

https://www.copytrack.com/ja/

さて、画像の転用などが話題に挙がることが増えるにつれて世の中にはやっぱり便利なサービスも出てきました。
それがこちらのサイトです。
画像の無断転載を見つけて「あなたの画像が無断転載されているよ!」と教えてくれることにプラスして「もしかして使用料○円位もらえるかもよ!」までお知らせしてくれるサイトです。
このサイト自体は成果報酬型で、無断転載元への連絡から料金の回収までを請け負ってくれるとのこと。
そのため、無断使用を発見したけれど「その後どうしたら良いかわからないと」いった人でもスムーズに手続きできる上、解決する上で大きなハードルとなっていた「無断転載元へ連絡をして料金を取る」という労力を軽減できるのです。

その手間のためにこれまで画像の無断転載を発見したものの、対処を諦めて泣き寝入りしていた人にとってはとても良いサービスです。

右クリック禁止は有効か

時々、右クリック禁止を導入したいという声をいただきます。
弊社が提供している「リブロ」の各サービスで作成したホームページにももちろん導入いただけますが、個人的に効果の程は微妙だと思っています。

右クリックしようとすると、ポップアップで煽り文句を出してくるサイトもありますよね。
煽られると反抗したくなるのは若気の至りでしょうか・・・

ともあれ、右クリックを導入したとしても回避する方法はいくつか存在します。
特に、テキスト内容や中身を確認したければ[ctrl]+[U]でHTMLソースを表示させてしまえば良いのです。
ソースの内部からは画像の置き場所やCSS、テキスト内容も簡単にコピーできることでしょう。
もしくは、ディベロッパーツール(Chromeであればブラウザメニューの「その他のツール」からいけますね)で確認すれば一発です。

しかしながら、ソースを確認するタイプの人であれば「コピペの悪」についても認識している事が多いでしょう。
そこまでしてコピペするか?ということと、右クリックでメニューが表示されないことのデメリットを考えた結果「微妙」としました。

インターネットに詳しくないライトな層からのコピーを防ぐには良いかもしれませんが、同時に別タブで開くことができないなど、ユーザーの利便性を下げてしまう事も起きるのをご了承ください。
右クリック禁止を導入するより、画像にウォーターマーク(透かしや小さなマーク)を入れることを検討してみるほうが良いかもしれません。

CopyContentDetector

https://ccd.cloud/

文章のコピーの場合はこちらでチェックをすることができます。
調べたいテキストを入力し、除外する(例えば自分のサイト)ドメインを入力してボタンを押すだけで類似度・一致率などを調査してくれるもの。
判定も素早く、類似しているフレーズや同一の文章に色を付けて表示してくるためとても見やすいです。
また、似たサイトを教えてくれるので実際に見比べることがとても容易ですね。
CSV一括登録やテキスト一括登録の機能も備えているのに無料で利用が出来るとは、とても有り難いサービスです。

Check Copy Contents

https://ja.wordpress.org/plugins/check-copy-contentsccc/

WordPressのプラグインには、コピペお知らせツールがあります。
自分のサイトからテキストがコピーされた記事が公開されると「やられてるよ」とメールでお知らせしてくれるツール。

どの部分がコピーされたのかを知ることができます。
そして、コピーした相手のIP情報やブラウザ情報も。

しかしながら、こちらはコピーすることを通知してくれるツールなので、その後どのサイトで利用されているかなどは知ることができません。
※マウスで文字を選んで[ctrl]+[C]でコピーしたときも通知されますし、右クリックで「コピーする」を選んだときも通知されます。

もしもコピーを利用して作られたサイトやコンテンツを発見した場合、Googleに報告するときの材料としては役立つのではないでしょうか。

もしくは、よくコピーされる部分があるのであれば、そこは多くの人が興味を持っている注目ポイントだということで
そのコンテンツを深掘りしても良いかもしれません。

ダメなものはダメ


結論はこうです、ダメなものはダメ。
バレなければよいだろう、みんながやっているから良いだろうでは済みません。

もしもこれまで述べた「なぜダメか」が上手く理解できなかったのであれば、覚えることは一つだけです。

「ダメなものはダメ」

世の中には商用利用できる無料の素材サイト、画像サイトも沢山存在します。
画像を利用する場合はそのルールをよく読みきちんと守って利用すること、また、文章であれば自分で考えることを第一にして作成していく。
このことを念頭に置いてご活用いただければと思います。

次回は、この「商用利用できる無料の画像素材サイト」についてご紹介したいと思います。

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