不動産業界のマーケティングを考える話(賃貸仲介店舗ver)
不動産のマーケティング戦略について真面目に考えてみた
以前、不動産の集客とコンテンツマーケティングについて考えてみたのですが、今回はその続きのようなものです。
テーマは不動産のマーケティング戦略。
マーケティング戦略というと、例えばSWOT分析に始まるような競合他社と自社との特徴の違いを再定義し、どうすれば解決できるかと提案する要素を探したり自社の強みとなる部分を洗い出し、どのような人がターゲットになるのかを設定することなどが挙げられるでしょうか。
顧客の中で自社がどんな立ち位置にいて、どんなポジションを狙うべきなのかを検討しながら方向性を定めて行くことは大切です。
具体化すると例えば、店舗を構えている周辺にはファミリーマンションが多いため、家族での引越や新婚層の取り込みを狙いたい…だとか。
法人契約のコネクションを持っているため、単身向けのマンションに家具家電レンタルの付加要素を付けよう…だとか。
ということで今回は特に賃貸仲介業界について考えたいと思います。
まず、一般的に不動産における広告の手法としては以下のような物があるでしょうか。
CMなどWEB以外の広告
テレビ、ラジオなどのCM広告
駅構内やバスなどに設置する看板型広告
チラシの配布、ポスティング
ポータルサイトへの掲載
- HOME’S
- SUUMO
- アットホーム など
クリック課金型広告
- Yahooリスティング広告
- Google広告(AdWords)
- Twitter広告
- Facebook広告
無料のプロモーション
- Googleマイビジネス
- 自社のホームページ
SNS
- LINE公式アカウント
上から3つはどうしても費用がかかるものです。
では、無料のもの=始めやすいものから準備をして、ある程度の軌道に乗せるまでに何をするのか。
真面目に考えてみたいと思います。
もし、私が「いま賃貸仲介店舗のWEB集客やマーケティングを考えることになったとしたら」…!腕が鳴りますね!
1.全ての基本準備として
まず、第一にホームページを開設するでしょう。
そしてGoogleマイビジネスに一番に登録して実店舗が存在することをアピールします。
ここで店舗のオープン時間や休日についてを周知しようというわけです。
地図と共に表示されますし、サービスについてや店舗の写真も掲載することができますので活用したいところですね。
このホームページについてもメンテナンスのしやすさや扱いやすさを考えておきたいと思います。
また、マイビジネスに登録するときはFCに加盟している場合FC名を含めて使うでしょう。
例えば「株式会社りぶろう不動産」が「アパマンショップ」に加盟していて「アパマンショップりぶ店」という名前を持っていたとします。ユーザが調べる時により使いやすいのは「株式会社~」の方でしょうか?それともFC名の含まれる方でしょうか。
ユーザの検索しやすい言葉と一致していることは大切なことだと思います。
2.拡散と情報発信を開始
ホームページが完成したら、次はSNSを開始します。
TwitterやFacebookでの情報発信を行い、同時にホームページのURLを拡散します。
SNSの大切なところは「継続した更新」なので、以降はコラムやページができる度に情報を更新したいですね。
時々、自店舗の様子やスタッフの様子を交えていくのも大切です。
新着物件の情報ばかりを垂れ流したりすることがないように、例えば梅雨時期なら快適に過ごすおすすめ情報やアドバイスを混ぜてみたり、地域で新規オープンする店舗の情報を織り込んでみたりも良いのではないでしょうか。
メリハリがポイントですね。
3.コンテンツは資産
ホームページ上にコンテンツを増やす、コラムや物件特集ページを作り始めます。
ホームページも作りきりでは意味がありません。
お客様が探している条件に合いそうな物件の特集ページや新築物件のページなどがあると良いですよね!
ファミリー層のために校区表や公共施設のページが合っても良いかも知れません。
一人暮らしの人には遅くまでやっている医療機関や飲食店情報もいいですね。
4.コストのかかる媒体も検討する
とは言うものの、自社ホーム自社媒体での集客が安定するまで、ポータルサイトへの掲載を行い露出を高める場合もあるでしょう。
また、ポータルサイトにおいても店舗の存在とホームページについて周知しておきたいですね。
(オプション料金がかかるところがほとんどですが…)
5.コンテンツと広告の相乗効果を狙う
さて、続いてはホームページ上で細かなキーワードや物件の名前によるSEO対策を考慮したコンテンツを作成します。
反面、ミドルワードやエリアを限定するなど自店舗と関連性の高いものに関してはクリック課金型広告を配信。
即効的なアクセスの増加とコンバージョンを狙うためには双方で集客をすることもあります。
特に、昨今様々な店舗が力を入れている専任物件や営業担当者の交渉力で得た物件などは、いち早く特集ページや物件ページを仕上げてサイト上に公開したいところです。
…考えられることはこのようなことでしょうか。
もちろん、上記の戦略が全て上手くいくとは限りませんし予想外に時間がかかることもあります。
2番、3番については時間のかかるものですので仕込みながら同時並行で4番あたりを開始すると思います。
そして、5番。
これは広告費がかかるものなのでコンバージョンの計測準備やある程度のページボリュームが整ったところで行いたいですね。
ポイントはいわゆるポータルサイトやクリック課金型広告など、どれかに一辺倒になるわけではなく、同時に自社の資産となるものを構築していくところにあります。
とりわけ広告の戦略としてはそのキーワードで1位を狙うのではなく、上位をキープしながらも露出する時間を長く保てるように戦略を立てたいところです。
狙うワードや広告のページとして使用するページは各店舗の立地や得意とするエリア、取り扱う物件によって変えていくものですので気になる…!という方がいらっしゃればご相談ください。
この場合、最終的に行き着くところは自社のホームページです。
そのため会社紹介やコラム、物件ライブラリーなどお客様に見えるページも必要となってくるでしょう。
いわゆる「ランディングページ」と呼ばれるものですが、特にWEB広告を考えているのであれば広告文や狙いたいワードに応じて適切なページが必要となります。
まあまあ手の内を明かしました…
で。
この上で、それぞれのページに応じてより深いマーケティング戦略を立てたいのです。
例えば「問い合わせページを見ているけど、問い合わせをしていないアクセス群」にはポップアップの宣伝を。
メールアドレスを既に取得していて、お部屋探しの時期が先などで来店に結びつかなかったユーザー群には新着物件ページとともに宣伝を。
このように、対象となるユーザー群を分けて(セグメントして)より効果的な手法をテストして確かめて行きます。
セグメントは無数にありますし、正解の形はありません。
「1週間以内にアクセスしたけれど問い合わせがない人」に対してのアプローチが成功するかも知れませんし、実は「1度問い合わせをしたけれど、90日以内に来店はしていない人」への宣伝が効果を出すかも知れません。
思いついたものをすぐ試せるのがWEBの良いところですし、こうした分析や手法のテストには終りがありません。
一度設定したら良いのではなく、ユーザの反応(コンバージョンやアクセス)を見ながら、より良い結果を得るために変化を付けていく必要があります。
そうして日々のマーケティング業務となっていくわけですが、実に見えにくい活動となります。
営業活動のように売上として直接的な数字が出てくる訳ではありません。
しかし、アクセスを集めることや宣伝活動は来店するユーザや問い合わせを集めることであり、最終的に売上へと還元されて行くものです。
マーケティングは経営だという言葉もあります。
縁の下の力持ち的な役割ではありますが、大切な役割だと思いますので少しでも効果を高めるために日々あれこれと試行錯誤を重ねていきましょう。
ちなみにセグメントを行うためのデータ集めの手法として、Googleアナリティクスやいろいろなツールを使う方法があります。
ツール類は「マーケティングツール(MAツール)」とも呼ばれていますね。
アナリティクスであれば
オーディエンス>概要>セグメントを追加
このセグメントは自分で作成することもできます。
マーケティングツールを使用する場合は、セグメントの設定を行いターゲットを絞ったコンテンツの出稿までできるものがありますね。
こうしたセグメントは広告出稿のときにターゲットや広告文を考えるためにも役立ちますので、色々な角度からセグメントを試してみてください。
ということで、今回はこの辺で。
次はセグメントについて詳しく書いてみようかなと思います。
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