実録!マーケティングツール(MA)導入までの激闘2
実録、マーケティングツール導入までの激闘その2
前回、マーケティングツールを導入するまでのお話で「なぜツールを導入するのか」「どんなツールを導入するのか」「ツールで何をしたいのか」という事をお話しました。
長期的な目標、効果の計測方法や短期的なスケジュールの作り方などをご紹介しましたが
今回は、引き続き弊社の例を交えながら実際にツールを導入する所までお話を進めてみたいと思います。
ツールを決定するまで
- なぜツールを導入するのかを考える
- 目的、目標の設定
- 計画の作成(短期~中長期)
- 稟議を突破するために
- 唐突に出てくる別のツール案 ←ここまでは前回!
要件定義とやりたいこと
- 購買プロセスの設定
- アクションの設定
- 要件定義
- 打ち合わせ
導入準備をしよう!
- データの整理
- マニュアル作成
- テスト運用(社内を巻き込む)
- 説明会
- 運用スタート
購買プロセスの設定について
それではまず「購買プロセス」について考えてみましょう。
顧客がサービスや商品を導入、購入するまでにはどんなフローを辿るのでしょうか?
例えば見込み顧客へアプローチをする時に、手元にあるリストに対して闇雲にメールを送っていても思った効果は出て来ないでしょう。
ポスティングで考えるとわかりやすいかもしれません。
学生向けの単身マンションに「戸建て分譲買いませんか?」のチラシを配布しても、おそらく反応は思ったほど得られないですよね?
インターネット上でも同様で、顧客に必要とされているだろうことを想像し、その思考に合ったものを提案していくことが大切です。
ポスティングや実際にお客様と会って話をする時に行うことを、インターネット上で再現するとイメージしていただけると良いと思います。
さて、購買プロセスには大きく分けて3つのステージがあり、それぞれ登場人物や顧客の心理的な状況が変わってきます。
「知る」ステージ
ユーザーが自社のウェブサイトにアクセスをする、問い合わせをしたり興味を持った商品付いて調べたりするステージです。
顧客との接点として、まず始めの段階と言えるでしょう。
- どんな情報を求めているでしょうか?
- どうしてその情報を探そうと思ったのでしょうか?
- その人は、何が問題だと思っているのでしょうか?
企業の場合は担当者レベルや、社内で情報収集を任せられた人が色々な会社に問い合わせをしている可能性があります。
個人の場合は例えば実際に住む人とは異なる人(学生の部屋探しにおける保護者)などが検索している場合もあるでしょう。
その方に向けて自社のサービスや特徴を伝えるためにはどんな手段があるでしょうか。
「比較検討する」ステージ
ユーザーは自分が興味を持った事柄について調べた結果から、複数のホームページやコンテンツ、会社を比較し始めます。
よくある話ですが「A社さんは仲介手数料が無料、B社さんは半額・・・なぜ違うの?」などという疑問を抱えながら検討していきます。
その際、ユーザーの選択肢や背景を想像すると以下のような状況が考えられます。
- 他のどのようなものと比較されているでしょうか?
- 誰に相談するでしょうか?
- 説得する、あと一押しに繋がるコンテンツはあるでしょうか?
- 相談される人に対してフォローになるようなコンテンツはあるでしょうか?
これに当てはまるものを用意し、説明するページとしても良いでしょうし追客をするときに補足説明としてURLを送っても良いでしょう。
「決定する」ステージ
ここで登場するのは、担当者の他に意思決定者、しかも金額にまつわる決裁権を持った人です。
担当者から遠い存在である決裁者にも自社のサービスについての理解を深めてもらうためには何ができるでしょうか?
- 条件交渉などの余地はあるでしょうか?
- 選択するプランはひと目でわかるでしょうか?
- 問い合わせなどの導線はあるでしょうか?
また、サービスの導入後をイメージしたフロー図や説明があるとよりしっかりと
決裁者に導入イメージを描いてもらうことができます。
ステージごとのアクション設定
上記のようにそれぞれのステージについて考えるときには、顧客はどんなことを求めていて、それに対してこちら側はどんなアクションが起こせるのかをまとめておく必要があります。
例えば「知る」ステージにいる顧客に対しては、メルマガを配信する。
「検討する」ステージにいる顧客には料金や他社との比較表を用意する、などですね。
用意するものはサイトを運営していくうちに増えていきますので、ここでは一先ず揃えておきたいもをのリストアップすると良いでしょう。
- WEBサイトの見ているページに併せた内容のDMを配信する
- 前回のお問い合わせから7日が経ったら、もう一度自動でメールを送る
- 条件に当てはまる見込み顧客データが登録されたら営業担当に通知する
こうしたアクションに対する設定をマーケティングツール上で作成して行くことになりますから、バリエーションを考えることが重要となります。
- 見込み顧客のジャンル分け
- 送信頻度
- 送信するメールの雛形
加えて、上記のような事を考えながら作業を進めることになります。
考えることはたくさんありますね!
要件定義と打ち合わせ
ここまでの中で決めた「実現したいこと」や「やりたいアクション」を実際にホームページとツールを使って実現するとき、どんなことが必要になるかをシステムを含め確認します。
例えば、マーケティングツールと自社のフォームをつなぐなどAPIを用いた開発が必要な場合があるでしょうし、社内でツールの項目を設定する場合はその要件について打ち合わせを行う必要があります。
その際、社内で使用する共通用語についてももう一度確認をしておきましょう。
開発をしたものの「その言葉だと思っていなかった」となると思ったようにデータが取り込まれない、フラグ立てできない、などということも考えられます。
そうして開発の期間や設定にかかる時間を試算すると、実際にツールを運用するスケジュールが具体化していきます。
導入準備をしよう!
ツールの契約、既存の問い合わせフォームやホームページとの連携などが完了すると、いよいよ導入準備です。
ここまでツール導入を先導する役割の人にとっては、詳しく調べたり管理画面の使い方を学んだりとすっかり準備が出来ている事と思います。
しかし、実際に日々の業務でツールを利用する多くの人にとっては「はじめまして」のもの。
ツールに慣れやすくするためのコツを押さえて社内に浸透させていきましょう。
社内を巻き込むテスト利用
実際に社内全員で利用する前に、社内の各部門から数名の方に協力いただきツールの使用感や疑問点を洗い出してみましょう。
つまずきやすい所などをピックアップしておけば社内向けマニュアルを作成する時に役立ちます。
また、サンプルで利用してもらう社員は、これから社内にツールを浸透させる際のきっかけとなる人となり、先立ってツールに慣れることで抵抗感を削ぐ役割も持ちます。
操作がわからない、どうすればいいかわからない=放置ではなく、同じ部署内にツールに親しんだ人がいるとフォローして貰いやすくなるというこtですね。
社内マニュアルの作成
テスト利用で出てきた質問をQ&Aでまとめても良いですし、「ここだけはしっかりしてほしい」というポイントをキャプチャを用いて説明しても良いでしょう。
ツールでは新しい用語や使い方がたくさん出てくるので、資料やマニュアルは図を用いわかりやすく整えることが大切です。
また、いつでも確認できるファイル置き場やスプレッドシートなどで共有しておくことも大切です。
ツールのマニュアルが存在しますが、その中から特に重要なところをピックアップしておくと良いですね。
社内向け説明会を開催するのも良い方法
テストである程度の操作に慣れたら、今度は社内向けに操作の説明会を開催するのも良いと思います。
長々と行う必要はありません。
- どうしてツールを導入するのか(目的)
- 何ができるツールなのか
- 操作方法
この3つのポイントを押させておくと良いかと思います。
また、操作を説明するときには「ここをこうしてああして」ではなく、同じ画面を開きながら具体的に「管理画面右側にある「顧客一覧」を押してください」など噛み砕いた説明が必要です。
自分が既にマスターしているがゆえに、相手も同じ速度で理解できると思ってしまいがちですが、初めて見るツールでは使い勝手を理解するのにも一苦労。
どこに何という項目があり、どういった操作をしてほしいのかということを明確化しておくと後で戸惑うことが少なくなります。
準備完了、いよいよ運用スタート!
さて、ここまで完了すると、ようやく軌道に乗せる準備が整ったということになります。
とても長いですね!
駆け足で進んで、導入を決めるまでに3ヶ月、準備に1ヶ月、開発に1ヶ月というところでしょうか。
同時進行で進む部分もありますが、弊社の場合でも実際に話しが持ち上がってから約半年ほどかかっています。
しかし、ツールはなんでも導入するまでは良いのですが、本番はそこから。
いかに継続して活用し、使いこなしていくかというところが肝心です。
次回はこの「継続した活用」について書いてみたいと思います。
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