実録!マーケティングツール(MA)導入までの激闘
マーケティングツール導入までの激闘
アプローチできそうなリードに対して、最適なタイミングでメールを送ったりしたい。
また、送ったメールが開かれたのかなどを知りたい。
お客様へのアプローチ中にはこんなことをよく思ったりするものです。
弊社のご提供するツールに、顧客管理システム「Taski」というものがあります。
Taskiは問い合わせがあったお客様の条件に当てはまる物件が登録されたタイミングでお知らせメールを自動で配信したり、お客様がメールを開封してくれたかどうかなどを判断する機能が備わっています。
これを自社のマーケティングに使わないなんて勿体無い・・・・!
しかし、残念ながらTaskiは不動産会社とお部屋を探すお客様をつなぐツールです。
鍵渡しまでのスケジュール管理や預かった書類チェック表などは、今回必要なく・・・・おすすめ物件機能も必要なく・・・。
弊社はこの顧客管理システムやホームページ作成ツールをご利用いただくために、不動産会社さん達へアプローチをしなければなりません。
ということで、涙を飲んで(?)新たにマーケティングツールを導入する運びとなりました。
今回のお話はマーケティングツールの導入やWEBマーケティングを考える時のヒントにしていただけるかもしれません。
ツールを導入しよう!
今回導入するものは、いわゆる「MAツール」や「CRM」と呼ばれるジャンルのツールです。
MAツール=マーケティングオートメーションと言い、ウェブサイトやSNSでのマーケティングを自動化しユーザーを可視化していくことを示します。
また、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)=顧客管理やリピーターやファンを増やしていくための支援ツールです。
他にも、営業活動を支援するツールとしてSFAと呼ばれるものたちも存在します。
- MA=マーケティングオートメーション
- CRM=カスタマーリレーションシップマネジメント
- SFA=セールスフォースオートメーション
弊社がまず選んだのはMAツールの導入。
難しいツールを導入するよりも、ある程度機能が決まっており「ツールに慣れる」という意味合いも込めて選びました。
IT企業なんだから何でも使えるんじゃないの?そう思われそうですが、そんな事はありません。
集計や計算にエクセルも使いますし、ミーティングではオフラインの手法も使います。
会社に所属する年齢層もITレベルもバラバラです。
そのため、まずは皆に「毎日使ってもらえるものである」ということを重要視しました。
そして。
マーケティングツールを導入する時は「下準備が命だ」とよく耳にしていましたが、今回実際に体験して確かに「下準備が命だ」と身を持って感じたためにここに記したいと思います。
実録・マーケティングツール導入までの激闘
ツールを決定するまで
- なぜツールを導入するのかを考える
- 目的、目標の設定
- 計画の作成(短期~中長期)
- 稟議を突破するために
- 唐突に出てくる別のツール案 ←今回はここまで!
要件定義とやりたいこと
- 購買プロセスの設定
- アクションの設定
- 要件定義
- 打ち合わせ
導入準備をしよう!
- データの整理
- マニュアル作成
- テスト運用(社内を巻き込む)
- 説明会
- 運用スタート
ツールはつかってこそ
- アフターフォロー
- コンテンツの作成
- リードの育成
1.なぜツールを導入するのかを考える
まず第一に必要なことです。
なぜ、そのツールを導入するのか。
「なんとなく」ではツールを導入したものの、その後あまり使わずに放置してしまうこととなるでしょう。
ツールを導入して何がしたいのか、どんなことを実現したいのかリストアップしてみることが必要です。
これはどのツールを導入するか選定するためにも大切な工程です。
やりたいことと、ツールに備わっている機能が一致しないことには導入するメリットがありません。
有名だから、他が使っているから・・・ということだけでなく、何がしたいかに基準をおいて選定しましょう。
弊社では、導入までに何度かミーティングを開催しました。
予算の拠出から、ツールを導入して各部署が実現したいことの希望を書き出し整理することにしました。
こんなことはできるのか?
これはどうだ?
出てきた疑問や質問をまとめ、ツール側の担当者ともセッションを重ねます。
会議ではマインドマップのようなツールを使っても良いでしょうし、思いついたことをホワイトボードや紙に書き出してみるアナログ方式もわかりやすいですよ。
ミーティングで出てきた実現したいことには、以下のようなものがあります。
- 休眠リストを再活用したい
- WEBを見ている人へこちら側からアプローチをしたい
- メールマガジンなどで情報発信をしたい
- お客様が必要な時に必要な情報を提供できるようにしたい
既存のツールと組み合わせることはできるのか、もし組み合わせるならどのようになるのかなど細かな部分も確認が必要です。
ツールの機能比較サイトなどもありますので便利に使ってみても良いのではないでしょうか。
ちなみに、マーケティングツールだと以下のようなものがあります。
- HubSpot
- Marketo
- Pardot
- SATORI
- Oracle
- Kairos
それぞれ、付加機能と料金が異なりますので自社の規模ややりたいことに照らし合わせて検討することが必要です。
2.目的、目標の設定
これで「ツールを導入してからやりたいこと」は見えてきました。
しかしツールを導入してから時間が無限にあるわけではありません。
コストもかかっていますし、何よりもツールを社内に一つの文化として定着させていかなければならないのです。
せっかく導入したのですから「使うことが当たり前」の空間を作りたい。
そのために、中長期的に見たツール定着までの流れは計画しておかなければなりません。
例えばこのように、導入の初期から運用まである程度のフェーズに分け、
「いつごろまでに実現したいか」を設定します。
また、ダウンロード数や問い合わせが合った後の商談内容の変化についても計測できると良いでしょう。
(例えば、決定率がどう変化かしたか、アポイントの取得率は通常と比べてどうかなど)
様々な部門との連携が必要となりますので、ツールの運用がスタートする前、スタートした後も定期的に各部門へのヒアリングが必要です。
指標や効果の測定についてはこんな感じでリストアップしてみましょう。
具体的に考えるなら、「メールの返信を増やす」だけではなく、
「メールの返信を○%増やす」
「反響からの売上を○%増やす」
などの数値を見える化して設定すると取り組みやすくなるのではないでしょうか。
3.短・中期的な計画の作成
先程、大まかに数カ年の計画をまとめ効果測定について検討しました。
次は、その計画を細分化し導入準備からスタート、運用段階までの具体的なスケジュールを作成します。
例えば、このようになるでしょうか。
方針を作ることや、これから必要になる項目をリストアップした後、ツールの基本設計に入ります。
「登録する項目の名前」や登録方法についても、社内で共通の認識が必要です。
例えば、「お客様とアポイントが取れた」ことについての入力をするときに
Aさんは「アポイント獲得」と入力したのにBさんは「アポ済み」と入力したとします。
これではせっかくツールを導入しても集計する時に項目が統一されておらず結果の取得が二度手間になってしまいます。
効率的にツールを運用していくために、運用が始まる前に社内での「共通言語」を作る必要があります。
閑話休題:稟議を突破するために
ツールは魔法の道具ではありません。
使うために、しっかりとした計画が必要です。
また、導入したからと言ってすぐさまに売上が上がったりすることもありません。
ただ、活用することで実現できることや部署へ波及すること、データ活用の方法をまとめることが肝心です。
基本的に、パワーポイントなどを用いた提案書は図やグラフを用いて視覚的にわかりやすくすることが大切ですが、
状況によっては文字で説明しなければ伝わらないこともあります。
その時に、見出しの置き方や配置を工夫することで全体の流れと要点が伝わりやすくなります。
文字が多い提案書を作成するときのコツは以下のようなものが挙げられます。
色合い
配置
文字の大きさ
上記を基にして、文字の多い提案書のサンプルを作りましたので、ご活用ください。
唐突に出てくる別のツール案
あるあるかもしれません。
「これもいいなー」「これはどう?」と様々な方向から飛んでくる案。
全て検討した上で選んでいることをプレゼンに盛り込む必要があります。
よくあるのが「どうせ使うなら良いもの使えばいいんじゃない?」というもの。
確かにそうです。
しかし、高機能であるがゆえに使いこなせないのであればツールが生きません。死んでしまいます。
予算、導入のハードル、そして何より使いこなせるかどうかに注目し、
「このツールが使いこなせて結果が出たら移行する」などのプラン立てをしておくと良いと思います。
正直、慣れもありますしどのツールを使うにしても理解してしまえば後はルーティン的な要素になります。
1つのツールに固執する必要はありませんし、どれを選んでも良いところも悪いところもあるでしょう。
しかし、どうしてそのツールを選んだのか、また今後のプランとしてどうなっているかは事前にまとめておくと役立ちます。
企画書を提出する!
「前途多難だ・・・・」そう思った方も多いのではないでしょうか。
実は、このフェーズがとても大切で「なんのために」が無いとこの後に考えることとなる「購買プロセス」や「アクション」についての軸がブレてしまいます。
担当者としては、なんとなく導入したけれど、なんのためのツールだったっけ?とならないようにしたいものですよね!
次回はいよいよ導入までに考える「具体的な要素」についてお話したいと思います。
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